エヌビディア(NVIDIA)の株価は、前日の大幅上昇の後、8月1日に下落しました。7月31日には13%の上昇で取引を終えましたが、1日の午後の取引では8.26%安の107.33ドルとなりました。この動きは、米国の製造業活動の重要な指標である6月のISM製造業景況指数の発表を受けたものです。この指数の低下は、潜在的な景気後退への懸念を呼び起こし、エヌビディアを含む主要株価指数に影響を与えました。
メタのAI投資計画がエヌビディアを後押し
31日には、メタ・プラットフォームズ(META)が人工知能(AI)に関する明るい見通しを発表しました。フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズは、今年の設備投資ガイダンスを従来の375億ドルから385億ドル(中間値)に引き上げ、AIハードウェアへの積極的な支出を示唆しました。この支出の多くは、エヌビディアのチップを収容するデータセンターに投入される見込みです。
メタの長期的なAIインフラ投資
メタの最高財務責任者(CFO)であるスーザン・リー氏は、31日に行われた同社の決算発表後のアナリストとの電話会見で、「我々の予想は、来年もAIインフラへの投資を大幅に増やすということだ」と述べました。メタはエヌビディアのトップクラスの顧客であり、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は1月、同社が今年末までに35万台のNvidia H100グラフィックス・プロセッシング・ユニットと、合計60万台近くのH100コンピュート相当GPUを導入すると約束しました。
AIの未来に向けた大規模な計算インフラ構築
ザッカーバーグ氏は、「我々の長期的なビジョンは、一般的なインテリジェンスを構築し、責任を持ってオープンソース化し、誰もが恩恵を受けられるように広く利用できるようにすることだ」と述べ、「われわれは、人工知能の将来のロードマップをサポートするために、大規模な計算インフラを構築している」と投稿しました。
メタは今後もエヌビディアのGPUに支出を続けると予想されており、ザッカーバーグ氏は、来年予定されているメタの次世代AIモデル「Llama 4」のトレーニングには、「Llama 3」に必要だった10倍のコンピューティング・リソースが必要になるだろうと述べました。
AIスタートアップの見解
AIスタートアップ、Anthropicのダリオ・アモディCEOも、AIモデルの学習には10倍以上のコンピューティングリソースが必要であると述べており、最新の最先端モデルの構築には1億ドルがかかり、10億ドルのモデルも開発中であるとしています。アモディ氏は、2027年までに100億ドルから1000億ドルのモデルが作られると予想しています。
エヌビディア株価の今後の見通し
エヌビディアの株価は、31日の終値までに今年136%上昇しており、S&P500種株価指数の16%の上昇と比較しても大幅な上昇を見せています。また、ナスダック総合株価指数の17%の増加と比較しても、そのパフォーマンスは際立っています。
エヌビディアの将来の成長は、AI技術の進展とそれに伴うデータセンターや計算インフラへの需要に大きく依存しています。メタ・プラットフォームズのような大手テクノロジー企業からの需要は引き続き高水準を維持する見込みであり、エヌビディアの株価にもプラスの影響を与えると予想されます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA