エヌビディア(NVDA)の株価は、同業のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の予想を上回るガイダンスとモルガン・スタンレーのアナリストが示した強気な見方を受けて、7月31日(水)に12.8%上昇しました。
AMDの四半期決算とガイダンスが市場を刺激
AMDは7月30日(火)遅くに四半期決算を発表し、トップ・ボトムラインともに予想を上回る結果を報告しました。さらに、第3四半期の見通しも市場予想を上回り、投資家の懸念を払拭しました。これにより、AI関連のトレードが一巡したのではないかという不安も和らぎました。
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ビッグ・テックの投資拡大
マイクロソフト(MSFT)は最新の四半期決算で、データセンター・インフラへの支出増を明らかにしました。これにより、AIチップ・サプライヤーであるAMDやエヌビディアは、ビッグ・テックの投資拡大から利益を得る立場にあります。
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モルガン・スタンレーの格上げ
モルガン・スタンレーのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏率いるチームは、エヌビディアのポジションを「トップ・ピック」に格上げしました。同社の株価が過去最高値から約25%下落したことを受け、「短期的にも長期的にも強いデータを耳にし続け、過大な競争懸念があるため、売りは良いエントリー・ポイントになる」としています。
さらに、モルガン・スタンレーはエヌビディアの「オーバーウェイト」の格付けを維持し、目標株価を144ドルとしています。同社は、支出計画、競争、輸出規制、サプライチェーンへの懸念、バリュエーションへの懸念という5つの主な要因を挙げていますが、「これらの懸念を通じて、エヌビディアとAIコンプレックス全体にとって、収益環境は引き続き好調である可能性が高い」と述べています。
チップ関連企業の株価上昇
エヌビディアの株価上昇は、ブロードコム(AVGO)、マイクロン(MU)、台湾セミコンダクター(TSM)、ASML(ASML)、スーパーマイクロ(SMCI)などの他のチップ関連企業の株価上昇にも寄与しました。
エヌビディアの今後の見通し
エヌビディアの株価は今年に入り135%以上上昇し、17% というナスダックの上昇率を大きく上回っています。同社は次回の四半期報告書を8月28日(水)に発表する予定です。この報告書が今後の株価にどのような影響を与えるか、注目が集まります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA