アマゾン・ドット・コム（AMZN）は、今月のハイテク株全体の売りに巻き込まれた形となっています。しかし、同社の株価が再び上昇するチャンスはまだ十分にあります。アマゾンの業績が好調である可能性、AWS（アマゾン・ウェブ・サービス）部門の成長、そしてプライムデーの好調なパフォーマンスは、アマゾン株にとってポジティブなカタリストとなります。
アマゾン株価の現状
アマゾンの株価は今年前半に絶好調でした。他のメガキャップのハイテク企業とともに、アマゾンも生成AIを扱う企業として投資家からの注目を集めていました。しかし、株価は過去1ヶ月で5.6%下落して182.5ドルとなっており、過去3ヶ月の上昇率は1.6%まで低下しています。
ハイテク株全体の動向
ハイテク株の多いナスダック総合株価指数（コンポジット）は、今月3.1％の下落を記録しており、過去2週間で6.6％下落しています。これは2022年9月30日以来最大の2週間の下落率となっています。アマゾンもこの影響を受けており、株価は7月5日のピーク200ドルから9％下落しています。
アマゾン株のポジティブ要因
業績の上振れの可能性
シティのアナリスト、ロナルド・ジョシー氏は、アマゾンの第2四半期決算が予想を上回る可能性が高いと述べています。同氏は、「生成AIの追い風を考えると、我々はAWSの売上成長が2Qに加速すると考えており、引き続き堅調な広告需要に加え、リテール全体の効率改善に基づいて、OI（営業利益）はガイダンスの上限を上回ると考えている」とコメントしています。
AWS部門の成長
BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、ブライアン・ピッツ氏は、AWSが「少なくとも2025年まで持続的な売上成長軌道にある」と信じています。この見解は、AWSがアマゾンの主要な成長ドライバーの一つであり続けることを示唆しています。
プライムデーの好調なパフォーマンス
ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブズ氏は、プライムデーの結果について「我々の見方では健全であり、小売部門の第3四半期の好調なスタートを暗示している」と述べています。この好調なスタートは、数ヶ月後に株価の原動力となる可能性があります。
今後の展望
アマゾンの株価は今年20％上昇しており、ファクトセットが調査したアナリスト66人の平均目標株価は224.90ドルです。これは現在の水準から23％上昇する余地があることを意味しています。投資家たちは、8月1日の第2四半期決算発表に注目しており、その結果がアマゾン株のカムバックを後押しすることを期待しています。
まとめ
アマゾンの株価は、今月のハイテク株全体の売りに影響を受けましたが、業績の上振れの可能性、AWS部門の成長、プライムデーの好調なパフォーマンスといったポジティブな要因が揃っています。これらの要因を考慮すると、アマゾン株には再び上昇するチャンスが十分にあると考えられます。今後の動向に要注目です。
＊過去記事はこちら アマゾン AMZN