クラウドストライクの大規模IT障害!株価25%下落の背景と今後の展望

サイバーセキュリティ企業クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)は、先週発生した大規模なIT障害により、株価が25%下落するという厳しい局面に直面しました。障害の原因は、エラーをチェックしアップデートを送信しないようにするためのツールのバグであり、世界中の航空会社やその他の企業に大きな影響を与えました。

障害の概要と原因

クラウドストライクは、品質保証をチェックする「コンテンツ・バリデーター」にバグがあり、「問題のあるコンテンツ・データ」を検出できなかったため、アップデートが検証を通過することができなかったと発表しました。このため、欠陥のあるソフトウェア・アップデートがリリースされ、ITシステムに混乱を引き起こしました。

市場の反応と株価の動向

このニュースを受けて、クラウドストライクの株価は先週7月18日の343.05ドルから22日の終値263.91ドルまで大幅に下落しました。特に、19日と22日の両日ともに2桁の下落を記録しました。

ウォール街の見解

ウォール街のアナリストたちは、クラウドストライクの今後について異なる見解を示しています。

トゥルイスト証券のジョエル・P・フィッシュバイン・ジュニア氏

フィッシュバイン氏は、今回の障害はサイバーセキュリティの侵害ではなく、欠陥のあるソフトウェア・アップデートの結果であることから、同社の基本的な需要に大きな影響を与えるとは考えていません。しかし、短期的には「同社の無敵オーラを突き破るものであり、業績への逆風となる可能性がある」と指摘し、目標株価を325ドルとしました。

ウェドブッシュのタズ・コジャルギ氏

コジャルギ氏は、他のベンダーが何らかの利益を得る可能性はあるものの、新しいベンダーの評価と選定には時間がかかると指摘しました。つまり、クラウドストライクの損失は、他のベンダーにとってすぐには利益につながらない可能性が高いということです。同氏は「アウトパフォーム」の格付けを維持しつつ、目標株価を315ドルとしました。

Canaccord Genuityのキングスレイ・クレーン氏

クレーン氏も同様に、今回の障害がクラウドストライクにとって致命的なものではないと考えています。しかし、ライバル企業であるセンチネルワン(S)にとっては「大きな瞬間」であると述べました。その他のサイバーセキュリティ企業であるパロアルトネットワークス(PANW)、クラウドフレア(NET)、フォーティネット(FTNT)も上昇する可能性があります。

今後の展望

クラウドストライクは、8月27日に第2四半期(7月までの3カ月間)の決算を発表する予定です。市場は同社の業績と今後の展望に注目しています。今回の障害を乗り越え、信頼を回復することができるかが焦点となりそうです。

まとめ

クラウドストライクは、今回のIT障害により大きな打撃を受けましたが、ウォール街は依然として同社を支持しています。長期的な成長見通しは依然として強固であり、短期的な課題を克服することで再び市場の信頼を取り戻すことが期待されます。

*過去記事はこちら クラウドストライク CRWD

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