ビザの株価急落!最新四半期の業績から見る成長ペースの鈍化とは?

  • 2024年7月24日
  • 2024年7月24日
  • BS余話

決済テクノロジーのリーダーであるビザ(V)の株価は、最新の四半期における取引高の増加ペースが鈍化したことを受け、7月23日の時間外取引で約3%下落しました。この動きは、投資家にとって重要な指標である決済件数と処理済み取引件数の成長率が予想を下回ったためです。

第3四半期の業績ハイライト

第3四半期のビザの決済件数は7%増加し、処理された取引件数は10%増加しました。前四半期においては決済件数が8%増、処理済み取引件数が11%増だったため、成長ペースが若干鈍化していることが見受けられます。

また、クロスボーダー取引高も前年同期比で14%増加しましたが、米国全体の取扱高の伸びは6月に比べて7月第1~3週で鈍化しています。この鈍化は特にデビットカードの利用において顕著です。

通期の見通しと為替の影響

ビザは通期の売上成長見通しを維持しており、クリス・スー最高財務責任者(CFO)は、多くの要素が当初の予想と一致していると述べました。しかし、為替変動の影響が大きく、特にアジア市場における通貨安が回復ペースに影響を与えています。日本円は対米ドルで38年ぶりの安値を記録し、これは消費者の購買力に大きな影響を及ぼしています。

収益と非接触型決済の普及

第3四半期の純利益は48億7000万ドル(1株当たり2.40ドル)で、前年同期の41億6000万ドル(1株当たり2.00ドル)から増加しました。売上高も前年の81億2000万ドルから89億ドルに増加しましたが、ファクトセット調べのアナリスト予想の89億2000万ドルをわずかに下回りました。

ジェフリーズのアナリスト、トレバー・ウィリアムズ氏は、ビザにとって「稀に見るトップラインのミス」だと指摘しています。

まとめ

ビザは非接触型決済の普及が進んでいることを強調しており、特に米国市場での普及が顕著です。ニューヨークでは、非接触型決済の普及率が75%に達しています。

ビザの最新四半期の業績は、決済テクノロジー企業としての強さと同時に、市場の変動に対する敏感さを示しています。今後の動向に注目し、投資家は引き続きビザのパフォーマンスを注視する必要があります。

*過去記事「ビザ株に対する不安の増大:投資家はどう対処すべきか?

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