クラウドストライク（CRWD）の株価は、7月の最終週に起きた大規模な技術障害の影響で急落しました。この障害は、マイクロソフト（MSFT）のWindowsデバイスを使用する何百万人ものユーザーに影響を及ぼし、産業界や航空旅行業界に広範な混乱を引き起こしました。
クラウドストライクは声明で、約850万台のデバイスが影響を受けたと発表し、かなりの数をオンラインに戻したと報告しています。しかし、悪質な業者がこの障害を悪用しようと試み、偽の「クイックフィックス」ファイルを配布するなどの問題も発生しています。
株価の急落とその背景
クラウドストライクの株価は7月22日の米国市場で13.46％下落し、過去2営業日で約25％の下落を記録しました。この株価の急落は、同社の主要サービスであるFalconのアップデートに問題があったことが原因です。Falconは企業のマシンを監視し、ハッキングの試みやウイルス、その他の脅威から保護するサービスです。
国土安全保障委員会の対応
米国の国土安全保障委員会の共和党メンバーは、クラウドストライクの最高経営責任者（CEO）ジョージ・カーツに対し、議員の前で証言するよう求める書簡を送りました。彼らは、重要なインフラを守るためにこの事件から学び、再発防止に努める必要があると強調しています。
障害の影響とその広がり
技術的な問題は企業や家庭のユーザーに影響を及ぼし、特に航空業界ではフライトの混乱と長い待ち時間が続いています。デルタ航空は、乗務員追跡関連ツールが影響を受け、週末に600便以上のフライトをキャンセルしました。これは、今年最悪の旅行週末となり、約7000便がキャンセルされました。
また、英国では医療サービスにも影響が及び、多くの診療所で予約や患者記録システムが使用不能となりました。これにより、処方箋の記入や予約手続きを紙とペンで行うなどの対応が求められています。
世界的な影響と今後の対応
この技術障害は、アメリカから中国、オーストラリアに至るまで、ほとんどすべての業界に広範な影響を及ぼしました。金融機関、政府機関、企業が相次いで問題を報告し、一部の病院や学区ではコンピューターがダウンする事態となりました。
クラウドストライクは、この問題に迅速に対処し、影響を最小限に抑えるための努力を続けています。企業や家庭のユーザーも、技術的な安全確保に取り組むことが求められています。
まとめ
今回のクラウドストライクの障害は、デジタル技術の相互接続性が高まる中で、1つのサイバーセキュリティ企業のアップデートが世界的な混乱を引き起こす可能性を示しました。企業や政府機関は、今後の対策を強化し、再発防止に努める必要があります。
今回の出来事を教訓に、クラウドストライクを含むサイバーセキュリティ業界全体が、さらなる信頼性向上とセキュリティ強化に向けて進んでいくことが期待されます。
＊過去記事はこちら クラウドストライク CRWD