コカ・コーラ(KO)は、7月23日の米国市場が開く前に2024年第2四半期の決算を発表しました。同社は、124億ドルの売上高と1株当たり84セントの調整後利益を計上し、いずれもアナリストの予想を上回りました。ファクトセットの調査によると、アナリストは売上高118億ドル、1株当たり81セントの利益を予想していました。
経営陣のコメント
コカ・コーラのCEO、ジェームズ・クインシー氏はプレスリリースで、「絶えず変化する状況の中で、トップラインと営業利益が堅調に伸びた第2四半期決算に勇気づけられました」と述べました。同社は、通期の調整後利益の伸びを従来の4%〜5%から、5%〜6%に引き上げ、売上高の伸びも従来の8%〜9%から、9%〜10%に上方修正しました。
株価の動向
コカ・コーラの株価は23日のプレマーケットで1.54%上昇し、65.77ドルとなりました。今年に入ってから株価は9.9%上昇しています。これは、消費者需要の相対的な回復力によるものと見られ、多くの同業他社をアウトパフォームしています。ファクトセットが調査したアナリストの4分の3がコカ・コーラ株を「買い」と評価し、平均目標株価は68.9ドルと、現在の水準から7%の上昇余地があることを示しています。
インフレの影響
インフレによる物価上昇が家計を圧迫し続けているため、消費者はスナック菓子や清涼飲料水の購入量を減らしていると指摘されています。しかし、過去2年間、コカ・コーラは経費の増加を消費者に転嫁することに成功しており、第1四半期の販売量は前年同期比1%増で、価格は13%上昇しました。
しかし、インフレが緩やかになり続ければ、価格上昇はトップライン成長の原動力ではなくなる可能性があります。消費者が炭酸飲料をあまり飲まなくなれば、同社の売上は今後数四半期でさらに伸び悩むか、減少する可能性があります。
競合他社の動向
ライバルのペプシコ( PEP)は、第2四半期の売上が予想を下回り、かろうじて昨年の水準を上回ったと発表しました。ペプシコの北米のスナックと飲料事業の低迷が影響しており、両部門の販売量はそれぞれ前年同期比で4%、3%減少しました。
為替リスクと長期的な懸念
ドル高もまた、海外市場からの売上が3分の2を占めるコカ・コーラにとって問題を引き起こす可能性があります。同社は為替ヘッジ・プログラムでその影響の一部を相殺していますが、経営陣は2024年の売上高に4%〜5%、利益に7%〜8%の為替の影響を予想しています。
さらに、オゼンピックのような新種の肥満治療薬が消費者のスナック菓子や甘い飲料への食欲を減退させ、コカ・コーラのような食品会社の売上を押し下げる可能性も投資家は懸念しています。
まとめ
コカ・コーラは、第2四半期の堅調な業績により、通期の売上高と利益の見通しを上方修正しました。しかし、インフレや為替リスク、消費者の購買行動の変化など、今後も注視すべき課題が残っています。コカ・コーラの経営陣は、これらの課題に対処しつつ、引き続き成長を目指しています。
*過去記事「コカ・コーラ株投資:高配当利回りと成長の絶妙なバランス」