クラウドストライク・ホールディングス（CRWD）の株価は、ソフトウェア・アップデートによる技術的障害が業界全体に波及した結果、7月19日に大幅に下落しました。
米国みずほ証券アナリストの見解
米国みずほ証券デスクのアナリスト、ジョーダン・クライン氏は、この出来事はクラウドストライクにとって「最悪のタイミング」だと指摘しています。というのも、同社が今月末に会計四半期を締めくくるからであり、ソフトウェア会社は四半期が終了するにつれて取引を最終化する傾向があるためです。
クラウドストライクの株価は19日の暴落前まで年初来で34％上昇しており、他のソフトウェア・セクターでは稀に見る人気銘柄でした。クライン氏は、決算が近づく中で投資家は予想を上回るような報告書を求めるだろうと述べています。
ソフトウェア障害の影響
クラウドストライクの株価は19日に11.10％下落し、時価総額は90億ドル以上減りました。この技術的障害がハッキングではなく、ソフトウェア・アップデートに起因していることが重要です。サイバーセキュリティの問題はブランドの評判に大きなダメージを与える可能性がありますが、クラウドストライクは保険に加入しているため、顧客の売上損失に関する財務リスクからどれだけ守られているかが注目されています。
市場の反応と今後の見通し
米国みずほ証券のグレッグ・モスコウィッツ氏は、クラウドストライクの株価の下落は年初来の大幅なアウトパフォームを考えると理解できるとしながらも、強気の見方を維持しています。同氏は、今回の出来事がクラウドストライクのビジネスや評判に永続的なダメージを与えるかどうかについては疑問視しています。
一方、ウィリアム・ブレアのジョナサン・ホー氏も、株価が低迷している状況では「買い」と述べています。同氏は、クラウドストライクが主要なサイバーセキュリティ・ベンダーとしての地位を維持するだろうと見ています。
業界の影響と今後の展望
エバコア ISIのピーター・レヴィーン氏は、今回の障害が「プラットフォーム統合のシナリオを変える」可能性があると述べています。同氏は、サイバーセキュリティには多様性が必要であり、1社か2社のベンダーに依存する考え方が精査されるだろうと指摘しています。
バークレイズのアナリスト、サケット・カリア氏は、クラウドストライクが市場での優位性と顧客のセキュリティ・ポートフォリオにおける重要な位置づけを持つため、最終的にはこの問題を乗り切るだろうと述べています。しかし、問題の解決には時間がかかると見ています。
まとめ
クラウドストライクは、ソフトウェア障害による株価の大幅下落という困難な状況に直面していますが、業界アナリストたちは依然として強気の見方を維持しています。同社がこの危機を乗り越え、再び市場での地位を確立することが期待されています。今回の出来事は、サイバーセキュリティ市場におけるベンダーの選択や多様性の重要性を再確認する契機となりそうです。
＊過去記事はこちら クラウドストライク CRWD