アルファベット、サイバーセキュリティ企業ウィズを買収か – 競争激化のクラウド市場での戦略的動き

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は7月14日、アルファベット(GOOGL)がサイバーセキュリティ企業ウィズ(Wiz)を230億ドル規模で買収する契約が成立に近づいていると報じました。

アルファベットとウィズの交渉進展

同紙によると、交渉に詳しい関係者は「近いうちに」取引がまとまる可能性があると述べているとのこと。この買収は、テクノロジー業界の競争に関するワシントンでの監視が強化される中で行われることになります。

ウィズの成長と資金調達

ウィズは5月、アンドリーセン・ホロウィッツ、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ、スライブ・キャピタルが主導する資金調達ラウンドで、評価額120億ドル、10億ドルを調達したと発表しました。その他の投資家には、Greenoaksやスターバックスの元CEOハワード・シュルツなどの富裕層が含まれています。

ウィズのCEOであるAssaf Rappaport氏は、「2024年はWizにとっても、業界全体にとっても統合の年だ」と語り、最近ではクラウド検知・対応企業のジェム・セキュリティを買収しています。

アルファベットの戦略的動き

ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブズ氏は、この買収がアルファベットにとって賢明な戦略的行動であり、「マイクロソフトに対抗する一撃になるだろう」と述べています。アルファベットはクラウド・コンピューティング分野でアマゾン(AMZN)やマイクロソフト(MSFT)に追いつこうとしています。

2年前、アルファベットは別のセキュリティ企業マンディアントを54億ドルで買収しましたが、同社は特に検索事業において、規制当局からの独占禁止法の監視に直面しています。

政治的な影響と展望

バイデン政権の連邦取引委員会はテック業界の反競争的慣行を強力に追及していますが、共和党の大統領に政権が交代すれば状況は一変する可能性があります。ダン・アイブズ氏は、ドナルド・トランプ前大統領が秋の選挙で勝利し、ホワイトハウスに復帰することになれば、「FTCは非常に弱体化し、ハイテク企業との取引が加速するだろう」と述べています。

まとめ

今回のグーグルとウィズの買収交渉は、クラウド・コンピューティング分野における競争の激化とテクノロジー業界の未来に大きな影響を与える可能性があります。今後の展開に注目が集まります。

*過去記事 アルファベット GOOGL

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