2024年7月、ハイテク株や半導体株が市場に大きな影響を与える一方で、その波乱が続いています。特に7月11日は、多くの投資家にとって試練の日となりました。
ハイテク株と半導体株の現状
2023年から2024年にかけて、AI革命への熱狂が株式市場を押し上げました。アルファベット、アマゾン、アップル、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラのいわゆる「マグニフィセント・セブン」がその中心となっています。
特にエヌビディア(NVDA)は年初来で3桁の上昇を記録し、その上昇ぶりが際立っています。他のハイテク分野に比べ、半導体株は2024年に大きな上昇を遂げています。しかし、高すぎるバリュエーションと期待が、いずれは暴落による半導体株の清算につながるのではないかという懸念もあります。
11日の暴落とその意味
米国みずほ証券のジョーダン・クライン氏は、11日の暴落について「ファンダメンタルズ面では新たなネガティブニュースやデータポイントはなかった」としたものの、エヌビディアが最終的にジャスト・オーケーの四半期決算を発表したときに起こりそうなことを予見したものであり、早くとも来年半ばまでには実現しないだろうが、「その日はいずれやってくる」と述べています。
ただ、これについてはネガティブに捉えるのではなく、その日までは半導体業界に投資した投資家の大半が大成功を収めたことになるというポジティブな見方をする人もいます。
半導体株の格差と個別銘柄の動向
半導体株が全体として大きく上がっているのは事実ですが、グループ内にはかなりの格差があります。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、S&P500種株価指数における半導体株のこれまでのワースト4は以下の通りです:
- インテル(INTC):2024年に入ってから33.3%下落
- エンフェーズ・エナジー(ENPH):15.5%下落
- オン・セミコンダクター(ON):11.1%下落
- スカイワークス・ソリューションズ(SWKS):2.2%下落
これらの銘柄はそれぞれ特定の理由で苦境に立たされています。例えば、スカイワークスは主要な供給契約を失い、インテルはAI中心のチップ市場での優位性を失っています。
今後の展望
半導体株は一般的には良い投資対象とされていますが、グループ全体が一枚岩ではないことは明らかです。ただ、みずほのクライン氏が言うように、投資家は「巻き戻しが始まったら、隠れる場所はない」と考えるほかありません。
まとめ
ハイテク企業の影響力が市場全体に及ぼす影響は大きく、今後も注視が必要です。インタラクティブ・ブローカーズのチーフ・ストラテジストであるスティーブ・ソスニック氏も、主要指数への影響を指摘しています。半導体メーカーにとっては混乱が続くかもしれませんが、今後の市場動向を見据えて冷静な判断が求められます。
このように、ハイテク株や半導体株の波乱は続いていますが、投資家としては長期的な視点で市場を見守ることが重要です。