TSMCこと台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSM)は7月10日、第2四半期の売上高が前年比で40%増加したと発表しました。この増加は、人工知能(AI)技術に必要な高度なマイクロチップの需要急増を背景としており、アナリスト予想を大きく上回る結果となりました。
台湾の新竹に本社を置くTSMCは、エヌビディア(NVDA)とアップル(AAPL)が使用する高度なマイクロチップの唯一のサプライヤーであり、2024年6月の売上高は2,678億6,000万台湾ドル(約63億8,000万ドル)に達しました。これは、前年同月比で32.9%の増加となります。
TSMCの第2四半期売上高
TSMCの第2四半期全体の売上高は6,735億1,000万台湾ドルとなり、前年同期の4,808億4,000万台湾ドルから40%増加しました。この結果、TSMCはアナリストが予測していた6,520億5,000万台湾ドルを上回りました。
米ドル換算でTSMCは第2四半期に207億ドルの売上高を計上し、同社が以前発表した196億ドル〜204億ドルの売上高予測を上回る結果となりました。
株価と市場シェア
台北証券取引所に上場しているTSMCの株式(2330.TW)は前場で2%上昇し、年初来で76%上昇しました。TSMCの株価は9日に過去最高値を更新し、同社の時価総額が1兆ドルを突破しました。
カウンターポイント・リサーチのデータによると、TSMCは現在世界最大のチップメーカーであり、2023年第4四半期の世界市場シェア61%から、2024年第1四半期には62%に上昇しています。
AI技術の需要が業績を牽引
チップメーカーの好調な売上は、AI技術の出現による需要に対応するため、新しいデータセンターとインフラを構築する競争が背景にあります。家電や自動車に使用されるマイクロチップの需要低迷に対して、先端チップへの需要急増が半導体業界全体の需要鈍化を相殺する役割を果たしています。
今後の見通し
7月18日の決算会見に先立ち発表されたガイダンスでは、TSMCは今年第1四半期に達成した42%の利益率に対し、第2四半期も40~42%の営業利益率を達成する見込みと述べました。
JPモルガンのアナリスト、ゴクル・ハリハラン氏は、TSMCがN2およびN3チップの開発に多額の投資を行うことを視野に入れ、設備投資ガイダンスを引き上げる可能性があると述べました。
まとめ
TSMCはAI技術の需要急増により、第2四半期の売上高が40%増加し、アナリスト予想を上回る結果を出しました。エヌビディアやアップルが使用する高度なマイクロチップの唯一のサプライヤーとして、今後も成長が期待されます。TSMCの株価は過去最高値を更新し、同社の評価額が1兆ドルを突破したことは、その業績の堅調さを物語っています。今後もTSMCの動向から目が離せません。