独立記念日の祝日による休場のあと再開された7月5日の米国市場。午前の取引でエヌビディア(NVDA)の株価が1%程度下落しています。これは、アナリストによる格下げの影響を受けた株価の動きと見られます。
アナリストによる格下げの背景
ニュー・ストリートのアナリスト、ピエール・ファラグ氏は、エヌビディアの格付けを「買い」から「中立」に引き下げました。ファラグ氏は、「アップサイドが実現するのは、2025年以降の見通しが大幅に上昇するブルケースの場合のみであり、このシナリオが実現するという確信を持てない」と述べています。
ファラグ氏はエヌビディアの1年間後の目標株価を135ドルとし、これは同氏が予想するエヌビディアの収益に対する株価収益倍率35倍に基づいています。また、ファラグ氏は「エヌビディアはAIデータセンターで最強のフランチャイズであることに変わりはないが、短期的な期待値とバリュエーションは株価をより慎重に見ることを正当化する」とコメントしています。
サムスン電子の好調な業績
一方で、サムスン電子は、人工知能技術を搭載するハードウェアの需要が旺盛であることを示す利益の増加という良いニュースを提供しました。サムスンは5日の決算速報で、四半期営業利益が前年同期比16倍近い10兆4,000億ウォン(75億2,000万ドル)になる見込みだと発表しました。
アナリストの間では、AIプロセッサーに統合されるメモリーチップの需要によるものだと考えられています。サムスンの広帯域メモリーチップは、エヌビディアのグラフィック・プロセッシング・ユニットに組み込まれる可能性があり、同社の存在感を高めています。
他のチップメーカーの動向
他のチップメーカーは、5日午前の取引で、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は2.5%上昇、インテル(INTC)は0.6%上昇しています。これらの企業もAI技術の進展に伴い、注目を集めており、サムスン電子の速報の影響を受けての上昇と考えられます。ひとり、エヌビディアだけが蚊帳の外というのが5日午前の取引の状況です。
まとめ
エヌビディアの株価は、アナリストによる格下げの影響を受け、一時的に下落しましたが、AIデータセンターでの強力なフランチャイズを持つ同社の長期的な成長には依然として期待が寄せられています。一方、サムスン電子や他のチップメーカーの好調な業績も注目すべきポイントです。これらの動向を踏まえ、投資家は今後の市場動向に注視する必要があります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA