ナイキの株価急落! 第4四半期決算の詳細と影響

アスレチック・アパレルの巨人、ナイキ(NIKE)が6月27日に発表した第4四半期の業績報告は、投資家の予想を裏切る結果となりました。売上高が予想を下回り、その結果、株価は28日の市場で大幅に下落しました。本記事では、ナイキの最新決算の詳細とその背景について詳しく解説します。

第4四半期の業績概要

ナイキは、第4四半期に売上高126億ドル、1株当たり1.01ドルの調整後利益を計上しました。これは、アナリスト予想の売上高129億ドル、1株当たり利益84セントを上回るものでした。しかし、前年同期比で売上高は2%減少し、消費者向け直接販売が8%減少したことが影響しました。一方で、卸売売上高は5%増加し、売上総利益率も1.1%ポイント増の44.7%となりました。

通期業績と今後の見通し

ナイキの通期売上高は514億ドルで、アナリスト予想の516億ドルをわずかに下回りました。しかし、調整後の1株当たり利益は3.95ドルと、予想の3.70ドルを上回る結果となりました。

ナイキは、2025年度のガイダンスで通期の売上高が1桁台半ばの減少、上半期は1桁台後半の減少になると予想しています。特に、第1四半期の売上高は前年同期比で約10%減少すると見込んでおり、アナリスト予想の3%減少を大きく上回る厳しい見通しとなっています。

株価の反応と市場の評価

ナイキの株価は28日の市場で20%下落し、終値75.37ドルとなりました。今年に入ってから株価は31%下落しており、投資家の間で不安が広がっています。ジェフリーズのアナリスト、ランダル・コニック氏は、「トップラインのトレンドが鈍化していることから、株価は今後レンジ相場になる可能性が高い」と述べ、中国市場での競争激化を指摘しました。

競争環境と市場シェアの変動

ナイキは、競合他社との激しい競争に直面しています。オン・ホールディング、ニューバランス、ホカなどのブランドがシェアを奪っており、ナイキのデジタル購入シェアは前年同期の34.1%から32.5%に減少しました。特に、北米市場ではフットウェアの売上が前年同期比で6%減少しており、ホカの売上が34%増加したのとは対照的です。

長期的な成長への期待

一方で、オッペンハイマーのアナリスト、ブライアン・ネーゲル氏は、ナイキの格付けを「アウトパフォーム」に格上げし、今回の決算が「最後の悪い」報告になる可能性があると指摘しています。この夏のパリ・オリンピックや新製品ラインナップなど、ナイキには将来的な成長のカタリストが控えていると見られています。

まとめ

ナイキは現在、複数の逆風に直面していますが、長期的な成長ポテンシャルを秘めています。投資家にとっては、現在の低迷を乗り越え、将来の成長を見据えることが重要です。ナイキの業績と市場の動向を注視しながら、投資戦略を見直すタイミングかもしれません。

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