米国の大手半導体メーカー、マイクロン・テクノロジー(MU)が6月26日に発表した2024年5月期第3四半期の決算は、予想を上回る結果となりました。しかしながら、株価は決算発表後の時間外取引で7.2%安と大幅に下落しました。
売上高と利益の概要
マイクロンの第3四半期の売上高は68億ドルで、前年同期比で82%増加しました。これはガイダンスの中間値である66億ドルと、ウォール街のコンセンサス予想である66.7億ドルを上回る結果です。調整後の利益は1株当たり62セントで、会社目標の45セントとウォール街のコンセンサス予想48セントを超えました。一般に公正妥当と認められた会計基準では1株当たり30セントとなり、会社予想の17セントを上回りました。
調整後の売上総利益率は28.1%で、ガイダンスの26.5%を上回る結果となりました。特に注目すべきは、DRAMの売上が前四半期比で13%増加し、NANDは32%増加した点です。これにより、平均販売価格はDRAM、NANDともに約20%上昇しました。
AI需要と強力な実行力による成長
マイクロンのサンジェイ・メヘロトラCEOは、第3四半期の業績について「堅調なAI需要と強力な実行力により、ガイダンスの範囲を上回る17%の前四半期比増収を達成した」とコメントしました。特にAIデータセンターの需要が前四半期比で50%以上増加し、同社の成長を支えました。
予測と見通し
8月期の売上高ガイダンスは76億ドルと予想され、コンセンサス予想の75億9,000万ドルをわずかに上回る見込みです。調整後の利益は1株当たり1.08ドルを見込んでおり、コンセンサス予想の1.02ドルを上回ります。
2025年度通期では、売上高が16%増の431億ドル、利益は1株当たり12.04ドルと予測されています。マイクロンは、PCやスマートフォンの需要改善、自動車や産業用顧客における過剰在庫の解消、人工知能に関連した需要の急増が業績を牽引すると見ています。
株価下落の理由
予想を上回る業績にもかかわらず、株価が下落した理由はウォール街の高い期待にあります。投資家は更なる上昇を期待しており、ガイダンスが予想に一致しただけでは満足できなかったため、株価が下落しました。
長期的な展望
マイクロンは、AI主導で拡大するビジネスチャンスに興奮しており、2025年度には大幅な収益記録を達成する態勢を整えています。特に、メモリを大量に消費するAIサーバーの需要加速が期待されており、AI対応のPCやスマートフォンからの新たな後押しが予想されています。
まとめ
マイクロンの強力な成長は、PCやスマートフォンの需要改善、自動車や産業用顧客における過剰在庫の解消、人工知能に関連した需要の急増が組み合わさった結果です。同社の今後の業績に期待が高まる中、ウォール街の高い期待が株価にどのような影響を与えるか注視する必要があります。
*過去記事 マイクロン