エヌビディア株価の急騰:投資家は現金化、ホールド、それとも追加投資をするべきか?

エヌビディア(NVDA)の株価が大幅に上昇し、同社株を保有する投資家たちは現金化するか、さらなる利益を狙って持ち続けるか、それともこの1年で3倍になった株を追いかけるか、考えあぐねています。

エヌビディアの驚異的な成長

エヌビディアは今週、2022年10月以来1,000%以上の株価急騰を背景に、一時的に時価総額で米国最大の企業となりました。過去12ヶ月で206%の上昇を記録しています。

エヌビディアの強気派は、さらなる上昇が待っていると言います。同社は人工知能(AI)アプリケーションをサポートするチップの圧倒的なプロバイダーとして、大規模な技術シフトの最前線に立っています。今年度の売上は倍増の1,200億ドル、来年には1,600億ドルに達すると予想されています。

強気の理由と株価の見通し

強気の投資家は、エヌビディアのAIチップ分野での優位性を強調しています。同社のチップは高性能であるため、AIデータセンターでは代替が難しいという点が大きな強みです。また、独自のソフトウェアフレームワークも開発者に支持されています。

実際、エヌビディアの予想株価収益率(PER)は約45倍で、年初の25倍から上昇しましたが、5年間の平均PER41倍をわずかに上回る程度です。このバリュエーションは約1年前の84以上から低下しています。

投資家の選択肢:現金化、ホールド、追加投資

ここで重要なのは、投資家がどのような戦略を取るべきかです。以下の3つの選択肢があります。

1. 現金化

エヌビディアの株価が大幅に上昇した今、利益を確定するために現金化を考えるのは理にかなっています。特に、株価のバリュエーションが高くなりすぎていると感じる場合は、現金化を検討する価値があります。億万長者の投資家であるスタンレー・ドラッケンミラー氏は、2024年にエヌビディアに賭けていた大金を減らしたと述べ、「AIは現在、少し過剰評価されているかもしれないが、長期的には過小評価されている」と語っています。

2. ホールド

エヌビディアの成長が今後も続くと信じる投資家は、株を持ち続けることでさらなる利益を狙うことができます。同社のAIチップ分野での優位性や今後の収益成長が期待される中で、ホールドする戦略は有力です。スピア・インベストの創業者で最高投資責任者(CIO)のイヴァナ・デレフスカ氏は、ウォール街のアナリストが予想している以上に業績が上振れすると見ており、エヌビディア株の見通しに強気の見方を崩していません。

3. 追加投資

エヌビディアの将来性に強い信念を持っている投資家は、さらに株を買い増すことでさらなる利益を狙うことができます。しかし、現在の株価が高騰していることを考慮し、リスクを十分に理解した上での投資が必要です。Plumb Fundsの社長であるトム・プラム氏は、エヌビディアのチップのAI以外の機会が過小評価されていると述べ、同社はエヌビディア株を7年以上保有しており、2つのファンドで最大のポジションを占めていると語っています。

注意すべきリスクと競争

エヌビディアの将来的な成長に対する警戒感も忘れてはいけません。テック大手のマイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)、アルファベット(GOOGL)は、AIコンピューティング機能を構築し、その技術を自社の製品やサービスに追加しようと競い合っています。

さらに、エヌビディアの顧客が同社の評価を支えるウォール街の業績予想を牽引するほどの支出をするのか疑問も残ります。長期的な視点では、競争の激化や顧客の多様化がエヌビディアの収益性に影響を与える可能性があります。

D.A.デビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は、エヌビディアは「真に革命的な」製品を持ち、「前例のない成長」を遂げていると評価していますが、同氏は格付けを「中立」、目標株価を90ドルとしています。これは6月20日の終値130.78ドルより32%低い価格です。

まとめ

エヌビディアの株価急騰に伴い、投資家たちは現金化、ホールド、追加投資の選択肢を検討しています。同社のAIチップ分野での優位性や将来の売上成長に期待する強気の投資家が多い一方で、バリュエーションの高さや競争の激化に対する警戒感もあります。投資家はリスクを十分に理解し、自身の投資戦略を見直すことが重要です。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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