ヒューレット・パッカード・エンタープライズ（HPE）とエヌビディア（NVDA）は、企業顧客向けに統合AIハードウェア・ソフトウェア・ツールのセットを提供するために提携を発表しました。両社は、ラスベガスのスフィアで今週開催されたHP Discover見本市の開会基調講演で、この提携を正式に発表しました。
「エヌビディア AI Computing by HPE」プログラムの概要
この新しい共同プログラム「エヌビディア AI Computing by HPE」は、HPEがエヌビディアプロセッサーを使用してAIサーバーを構築する長年の商業的関係をさらに深めるものです。HPEのアントニオ・ネリ最高経営責任者（CEO）は、このパートナーシップが特に企業顧客向けのAIサーバー設置に重点を置いていると述べました。これにより、クラウド・コンピューティング企業よりも多くのサポートを必要とする企業に対して、強力なサポートを提供します。
AI産業革命の加速
ネリ氏は、「目標は、我々がAI産業革命と呼ぶものを加速させることだ」と語り、この新しいサービスが単にエヌビディアのチップを搭載したサーバーを販売する以上の関与があると強調しました。企業にとって、AIインフラの統合とつなぎ合わせは非常に難しい作業です。しかし、HPEとエヌビディアの提携により、企業はクラウド・プロバイダーに頼ることなく、独自のAIインフラを容易に構築できるようになります。
企業向けAIインフラの構築を支援
ネリ氏は、「生成AIは企業の変革に計り知れない可能性を秘めているが、細分化されたAI技術の複雑さには多くのリスクと障壁があり、大規模な企業導入を妨げ、企業の最も貴重な資産である独自データを危険にさらす可能性がある」と述べました。HPEのAIサーバー受注の50％以上は企業顧客からのものであり、今月初めには旺盛な需要に牽引された好調な4月期決算を受けて株価が上昇しました。
クラウドからデータセンターへの回帰
ネリ氏はまた、AIによって一部のワークロードがクラウドから企業のデータセンターやコロケーション施設で稼働するプライベート・クラウドに回帰しつつあると指摘しました。これにはデータの安全性に関する企業の懸念が関係しており、コンプライアンスや規制の側面にも配慮が必要です。
競合他社との関係
HPEは、エヌビディアのライバルであるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMDとも長年の関係があり、特に世界で最もパワフルなスーパーコンピューターの開発において協力しています。しかし、HPEのAIサーバー事業の大部分はエヌビディアによるもので、現時点ではフルスタックのシンプルさでエヌビディアが優位に立っています。
まとめ
HPEとエヌビディアの提携により、企業向けAIソリューションがさらに強化されることが期待されます。これにより、企業は独自のAIインフラを構築しやすくなり、AIの可能性を最大限に活用できるようになります。
＊過去記事「HPE、第2四半期決算で予想を上回る業績発表！AIサーバー需要が急増」