デル・テクノロジーズ (DELL) の株価は、PCおよび企業向けハードウェア企業として急成長しているAIサーバー事業の収益性に関する投資家の懸念から、5月の最後の2日間で22%の大幅な下落を経験しました。しかし、その後、株価は見事に復活を遂げています。
モルガン・スタンレーの強気リサーチノートが株価を押し上げる
6月17日には、デル株はモルガン・スタンレーのハードウェア・アナリストであるエリック・ウッドリング氏が発表した強気のリサーチノートの影響で、5.2%上昇し、終値は142ドルに達しました。ウッドリング氏は、デル株を「トップ・ピック」として「オーバーウエート」の格付けを再表明し、目標株価を155ドルとしつつ、200ドルに上昇する可能性もあると指摘しました。
AIサーバー事業の持続的な勢い
ウッドリング氏は、テキサス州ラウンドロックにあるデルの本社での経営陣との一連のミーティングから勇気を得たと述べています。同氏は、AIサーバーにおけるデルの最近の勢いは、”加速しないまでも持続する” と予測しています。
デルは4月期の決算報告で、AIサーバーの受注残が前四半期比30%増の38億ドルに急増したと発表しました。さらに、サーバーとネットワーキングの売上高は最新四半期で42%増加しています。
AIサーバー事業の技術的な差別化
ウッドリング氏は、AIサーバーはほとんど互換性があるという従来の常識に同意しません。同氏は、AIサーバーの設計、構築、革新という課題は、投資家が理解していると思われるよりもはるかに複雑だと指摘しています。技術的な差別化により、デルはTier 2クラウドプロバイダー、AIプロジェクトに取り組む各国政府、企業のAI顧客とのビジネス獲得に成功しています。
エンタープライズ・ストレージ事業とPC事業の見通し
ウッドリング氏は、デルのAIサーバーの利益率に関する市場の懸念は見当違いであり、AIは長期的にサーバー事業の利益率を高める道を提供すると考えています。また、エンタープライズ・ストレージ事業の需要も徐々に改善しており、同社は競争力の不足に対処するための必要な措置を講じているとしています。
特に、デルのPC事業は「市場を上回る位置にあり、来年には成長が加速する」と予測しています。企業向けPCのリフレッシュ・サイクルが間もなく到来すると見込まれていることも、成長を後押しする要因です。
デルの将来予測
ウッドリング氏は、デルの2026年7月期の利益は1株当たり少なくとも10.30ドル、潜在的には12.50ドルに達するはずだと考えています。これらの数字はいずれも、アナリストのコンセンサス予想の9.13ドルを大きく上回るものです。
「私たちは、最近の決算後のアンダーパフォームを利用し、同業他社より相対的に割安な価格で取引されているAIインフラストラクチャーのリーディング・プレイヤーの ‘ディップを買う’ 」と同氏は書いています。
まとめ
デル・テクノロジーズは、AIサーバー事業の持続的な成長と技術的な差別化により、今後も強力なパフォーマンスを発揮する可能性があります。投資家にとって、デルの株価は引き続き注目すべき銘柄であり、長期的な成長が期待されます。
*過去記事 デル・テクノロジーズ DELL