米国株投資の魅力の一つに、株式配当が挙げられます。実際、S&P 500(SPX)のトータル・リターンの36%を占めており、配当は無視できない存在です。特に今後、米国債利回りが低下することで、その魅力はさらに増すことが予想されます。金利が低下すれば、配当利回りが相対的に高くなり、配当銘柄の株価上昇が期待できます。
バンク・オブ・アメリカのアナリストは2024年を「配当の年」になると予想しています。金利の低下は、マネー・マーケット・ファンドの利回りを押し下げ、投資家が配当銘柄に注目するきっかけになると思われます。
検討すべき配当銘柄
株式ニュースレター『Prudent Speculator』の編集者、ジョン・バッキンガム氏が推奨する、有望な配当銘柄を3つ紹介します。これらの銘柄への投資は、ポートフォリオの分散に役立ちます。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)
大手製薬会社のブリストル・マイヤーズ スクイブは、特許切れや米国政府の価格統制、金利上昇などの懸念から株価が低迷しています。しかし、バリュー投資家のバッキンガム氏は、この株が魅力的だと述べています。4月に報告された赤字は主に買収に関連した一時的な評価損によるものであり、長期的な成長見込みは依然として高いと考えられます。
シスコ・システムズ(CSCO)
ネットワーク機器の大手プロバイダーであるシスコ・システムズは、AI関連企業のスプランクを買収し、AI革命の一翼を担う企業として注目を集めています。シスコのPERは中期平均を下回っており、今後の株価上昇が期待されます。
シビタス・リソーシズ(CIVI)
エネルギー生産会社のシビタス・リソーシズは、52週安値から回復し、堅実な成長を続けています。最近の利回りは約8%と高く、積極的な自社株買いも行っています。バッキンガム氏は、この銘柄を長期保有の候補として推奨しています。
配当成長株
配当成長株は、収益性が高く、財務が健全な企業が多いのが特徴です。これらの企業は、景気減速時にも安定したパフォーマンスを見せる傾向があります。モーニングスターのアナリスト、スーザン・ジウビンスキー氏が推奨する銘柄を紹介します。
ナイキ(NKE)
スポーツウェアの需要が軟調な中でも、ナイキは強力なブランド力とイノベーションによって復活が期待されています。モーニングスターは、ナイキの株価は現在の92ドルよりも129ドルの価値があると見ています。
ギリアド・サイエンシズ(GILD)
バイオ医薬品大手のギリアド・サイエンシズは、がん治療薬のパイプラインが堅実で、強固なバランスシートを持っています。モーニングスターは、同社の株価は直近の64ドルではなく97ドルで取引されるべきだと考えています。
まとめ
2024年は「配当の年」として、配当銘柄への注目が高まることが予想されます。低金利環境下での配当利回りの魅力を活かし、ポートフォリオの分散のための投資先として、これらの銘柄は魅力的な選択肢です。
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