エヌビディアの成長戦略:テスラとのパートナーシップで自動運転業界をリード

エヌビディア(NVDA)のCEOであるジェンスン・フアン氏は、テスラ(TSLA)の完全自動運転(FSD)システムを現在最も先進的なシステムと評価しています。テスラのFSDはエヌビディアのチップを搭載しています。

テスラのFSDシステムの革新

フアン氏はYahoo Financeの独占インタビューで「テスラは自動運転車の分野で遥かに先を行っている」と述べています。テスラのFSDバージョン12の特徴として、エンドツーエンドの生成AIモデルが挙げられます。これは、サラウンド動画を見て学習し、生成AIを使って進路を予測し、車の操作を理解・予測するという革命的な技術です。

テスラの最新FSDバージョン12は現在ベータモードで、新規オーナー向けに30日間の無料トライアルが提供されています。FSDの利用料金は月額99ドルまたは8,000ドルの初期費用がかかります。2021年3月のデビュー以来、FSDの累積走行距離は13億マイルを超えています。

エヌビディアの自動車事業の成長

エヌビディアの第1四半期の自動車関連売上は3億2900万ドルを記録しました。これは、同社のデータセンター事業の226億ドルに比べれば小さいものの、前四半期比で17%、前年同期比で11%増加しています。エヌビディアのCFOであるコレット・クレス氏は、自動車事業が同社にとって数十億ドル規模の事業になる可能性があると述べています。

エヌビディアのデータセンター売上の多くは消費者インターネット顧客からのもので、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOG、GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)などのクラウドプロバイダーが売上の「40%台半ば」を占めています。

自動運転技術の未来

フアン氏は「すべての車がある程度の自律走行能力を持つようになるだろう」と語っています。テスラのFSDシステムは、大規模な言語モデルのテクノロジーと非常に似ており、膨大なトレーニング設備が必要です。動画データの量が非常に多いため、エヌビディアはテスラのFSDトレーニングAIクラスターを35,000個の同社の Hopper H100 GPUに拡張する手助けをしています。

エヌビディアの自動車セクターの顧客には、テスラのほか、メルセデス、ジャガー・ランドローバー、ボルボ、現代自動車、BYD(比亜迪)、ニオなどの中国のEV新興企業も含まれます。

ウォール街の評価

ウォール街もエヌビディアの自動車ビジネスに強気です。JPモルガンのアナリストは、エヌビディアの目標株価を850ドルから1,150ドルに引き上げ、データセンター事業の年間成長率を20~30%とし、エヌビディアが今後3~4年間で140億ドルの自動車売上パイプラインを収益化すると予測しています。

エヌビディアとテスラのパートナーシップは、自動運転技術の未来を切り開く鍵となることが予想されます。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA テスラ TSLA

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