多くの投資家がエヌビディア(NVDA)の成長がいずれ頭打ちになるのではと考えていた時、同社は数十億ドル規模の新事業をゼロから立ち上げると発表しました。これはエヌビディアにとって新たな成長の原動力となるかもしれません。その名も「ソブリンAI」。5月22日のエヌビディアの決算説明会で、コレット・クレス最高財務責任者(CFO)は急速に成長するこの新分野について詳しく説明しました。
ソブリンAIとは何か?
ソブリンAIとは、各国が自国のインフラ、データ、労働力、ビジネスネットワークを活用してAIを開発する能力を指します。現在、多くの国が国内のコンピューティング能力を強化し、ソブリンAIの導入を進めています。例えば、国営の通信プロバイダーや公益事業者が協力してソブリンAIクラウドを運営しているケースや、地元のクラウドパートナーと連携して公共部門と民間部門が利用できるAIコンピューティングプラットフォームを提供しているケースがあります。
具体的な事例
クレス氏が挙げた具体例の一つに、スイス政府が過半数を所有するスイスコム・グループがあります。同社は最近、イタリア子会社がイタリア語ネイティブに訓練された初の大規模言語モデルを開発するため、イタリア初で最も強力なエヌビディア製チップ搭載のスーパーコンピューターを構築すると発表しました。
ソブリンAIの経済的影響
エヌビディアはソブリンAI事業が前年はゼロだったのに対し、今年は一桁台の高水準に近づく可能性があると予測しています。これはAIの重要性が各国で増していることを示しています。エヌビディアの第1四半期の売上高は260億ドルに達しており、ソブリンAI事業の売上が一桁億ドルに達したとしても、全体の売上に占める割合はまだ小さいです。しかし、ソブリンAI事業が今後の成長の鍵となることは間違いありません。
まとめ
エヌビディアのソブリンAI事業は、同社の成長を支える新たな柱となる可能性を秘めています。急速に成長するこの分野に注力することで、エヌビディアはさらなる飛躍を遂げることが予想されます。投資家にとっても、この新事業は大きな注目ポイントであり、今後の動向から目が離せません。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA