スマートフォン市場の未来:AIがもたらす新たな可能性

  • 2024年5月20日
  • 2024年5月20日
  • BS余話

スマートフォン市場が停滞している状況下、最新のフラッグシップスマートフォンの価格が上昇し続ける一方で、消費者はスマートフォンを長く使用する傾向があります。さらに、新しいデバイスが出るたびに、見た目や機能の差異が少ないことが課題となっています。テクノロジー調査会社インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)によると、2023年の世界のスマートフォン出荷台数は3.2%減の11億7000万台となりました。この減少の一因は、中国市場の低迷や、消費者の倦怠感が挙げられます。

AIによるスマートフォン市場の革新

サムスン電子とグーグルは、携帯電話とアンドロイド・ソフトウェアでの長年の提携を活かし、AIの導入を進めています。グーグルのアンドロイド製品管理担当副社長、サミール・サマット氏は、「このAIの新時代は、スマートフォンを真にスマートなものにする絶好の機会だ」と述べています。

グーグルは、Google I/Oで携帯電話のカメラを使って世界を解釈し、後でユーザーが呼び出せるシーンを記録するAIアシスタントを披露しました。また、携帯電話上のチャットボットは、複雑な数学の問題を解くことから、就寝時の物語をその場で伝えることまで、様々なタスクを遂行できます。

新しいフラッグシップスマートフォンとAI機能

サムスンのGalaxy S24 UltraやグーグルのPixel 8は、AI機能を前面に押し出して宣伝されています。カウンターポイント・リサーチによると、サムスンのGalaxy S24シリーズは、発売後3週間で前モデルの販売台数を8%上回りました。特にアメリカ市場での伸び率は10%台半ばでした。

カウンターポイントの北米担当リサーチ・ディレクター、ジェフ・フィールドハック氏は、「生成AIスマートフォン・ブームの初期段階であることを考えれば、さらなる成長の余地は十分にある」と述べています。サムスン電子アメリカのモバイル製品管理担当バイスプレジデント、ドリュー・ブラッカード氏は、S24シリーズで前年比2桁の成長を目指しており、進捗に満足していると語っています。

AIスマートフォンの市場展望

調査会社IDCは、2024年に1億7000万台の「次世代」AIスマートフォンが出荷されると予測しています。これには、クアルコム(QCOM)のSnapdragon 8 Gen 3のような強力なチップが必要となります。同チップは、サムスンの最上位機種S24 Ultraや中国メーカーのプレミアム端末に搭載されており、メタ・プラットフォームズ(META)の最新世代のLlama 3が、クアルコムのSnapdragonプラットフォームを搭載した端末で利用可能になる予定です。

クアルコムとアームの競争優位

クアルコムは、Snapdragonチップにより、2024年の携帯電話端末事業の成長率を1桁台後半から2桁台前半になると述べており、これは世界のスマートフォンの成長率3%を上回る予測です。また、アーム(ARM)は、最新のArmv9チップ技術が、前世代の2倍のロイヤリティを生み出すと発表し、株価が急上昇しました。

AIスマートフォンのリスクと課題

ユーザーがAI機能をどれだけ活用するかによって、AIスマートフォンの成功は左右されます。プライバシーとスピードが強化されるため、デバイス自体で多くのAIを処理できる携帯電話に惹かれる消費者も多いでしょう。メーカーも、エネルギーとコストを節約できるため、オンデバイスAIを提供するインセンティブがあります。

まとめ

AIスマートフォンは、スマートフォン市場の革新を促進する可能性を秘めています。サムスンやグーグルなどの大手企業がこの分野に多くのリソースを投入しているため、アップグレードを正当化する進歩が期待されます。クアルコムとアームは、スマートフォンでAIの経済性を発揮させるために必要なパワフルでエネルギー効率の高いチップを得意としており、今後の成長が期待されます。

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