エヌビディア(NVDA)が来週5月22日に発表する決算報告に対して、投資家たちは再び長期的な視点で注目しています。
オッペンハイマーのリック・シェーファー氏は、エヌビディアの人工知能アクセラレーターに対する「飽くなき」需要があることはよく知られていると指摘しており、同氏を含む多くのアナリストがエヌビディアが今四半期も好調な業績を発表すると期待しています。しかし、ウォール街は現状よりも、エヌビディアが今年後半に出荷を開始する新しいBlackwellチップのラインアップに注目しています。
Blackwellチップの期待と懸念
ジェフリーズのアナリスト、ブレイン・カーティス氏は、エヌビディアの業績が高い基準にあることを認めつつも、その結果がGB200 NVLの展開や来年の成長に対する期待に比べて後回しにされる可能性があると述べています。エヌビディアの次世代エクサスケールコンピュータ、Grace Blackwellに対する期待が高まっているのです。
さらに、「エアポケット」という言葉が最近のエヌビディアの議論でよく使われます。これは、Blackwellのローンチを前にした需要の一時的な減速を示す言葉です。
カーティス氏は、「エアポケットへの懸念は頻繁に聞かれたが、クラウドサービスプロバイダーが供給に追いつくのにまだ時間がかかり、昨年製品を入手できなかった多くの顧客がいるため、その兆候は見られない」と述べ、「GB200 NVL製品の展開が大きな推進力であり、エヌビディアは再びAIシステム設計のより大きな部分をコントロールするだろう」と予想しています。
短期的なボラティリティの可能性
BofAセキュリティーズのヴィヴェク・アリヤ氏は、Blackwellを前にした四半期ごとの成長鈍化により、エヌビディアの株価が短期的に「ボラタイル」になる可能性があると述べています。アリヤ氏は、一部の投資家が現在の四半期の売上高ガイダンスを280億ドル近くと予測しており、これはコンセンサス予想の265億ドルを上回っているものの、「この強気な期待に見合った見通しが示されても株価が好意的に反応しない可能性がある」と指摘しています。
その理由として、次の7月の四半期の連続売上高成長率が7%〜8%の範囲に減速する可能性があり、ここ数四半期の10%台半ば以上の成長率よりも大幅に低いと述べています。
さらに、投資家は粗利益率がピークに達したかどうかを注視しています。アリヤ氏は、「(粗利益率の)減少は価格圧力、不利な製品構成(中国向けH20出荷の増加や推論ユニットの増加)、需要の減速/供給の緩和の兆候である」と指摘しています。
エヌビディアの業績発表は、投資家にとって多くの注目すべきポイントを提供します。特に、Blackwellチップの展開に伴う長期的な成長の見通しや、短期的な売上高成長率の変動が焦点となります。
まとめ
エヌビディアの最新決算報告に関して、投資家は短期的な数値よりも、長期的な成長の見通しや新技術の展開に注目しています。特にBlackwellチップのローンチとその影響が重要視されています。今後のエヌビディアの動向に注目し続けることが重要です。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA