アーム・ホールディングス(ARM)の株価が、5月8日の四半期決算発表後に下落しています。決算発表後の時間外取引では9%という大幅な下落を記録後、9日の通常取引では落ち着きを取り戻しましたが、終値は2.34%安の103.59ドルとなっています。しかし、この動きは、過去1年間で100%を超える急騰を遂げた株価にとって、一時的な調整かもしれません。
四半期業績のハイライト
アームの四半期業績は、市場予想を上回る内容でした。特に第4四半期の売上高は21%増の9億2800万ドルを記録し、これは予想レンジの8億5000万ドル〜9億ドルを上回るものでした。この成果は、特に人工知能(AI)分野における同社の製品が引き続き強い需要を示していることを反映しています。
株価反応の背景
市場の反応が冷ややかな一因は、通期の売上ガイダンスにあります。アームは今後の売上予想として38億ドル〜41億ドルを設定していますが、これはウォール街の予想39.7億ドルと比較してやや控えめです。オンライン証券会社ファーストトレードのドン・モンタナロ社長によると、この保守的な見通しは、AIとチップセクターの数四半期にわたる熱狂が安定する兆しを示している可能性があります。
長期的視点での可能性
しかし、アームの業績ガイダンスが短期的な株価下落を招いたとしても、長期的な投資家にとっては、これが買いのチャンスとなるかもしれません。AI技術の成長は依然として業界の主要トレンドであり、アームの技術が市場で引き続き重要な役割を果たすことは疑いようのない事実です。
AJベルの投資ディレクター、ラス・モールド氏も、アームの保守的なアプローチが最終的には、約束は控えめにして、成果は大きなものを出すという「アンダー・プロミス、オーバー・デリバリー(under-promising and over-delivering)」の評判を築き、企業の信頼性を高めることに寄与するだろうと指摘しています。
まとめ
アームの最近の株価の動きは、市場の短期的な反応に過ぎません。同社の技術、特にAIにおける強固な位置づけは、今後も持続的な成長をサポートすると予想されます。投資家は、現在の株価調整を将来的な成長への投資機会と見るべきかもしれません。
*過去記事「好決算後の株価下落:アーム・ホールディングスの深掘り分析」