スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)は、AI対応データセンターサーバーの旺盛な需要に支えられ、2024年3月31日に終了した第3四半期に、前年同期の13億ドルから200%増の38億5000万ドルという驚異的な売上高を達成しました。この眼を見張る増収は、同社の市場における強力なポジションと技術革新の成果が反映されたものです。しかし、これだけの増収を成し遂げても十分ではないという稀有なケースとなりました。この売上は、会社予想の37億ドル〜41億ドルの中間値であり、ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想39.9億ドルに少し届きませんでした。
株価の動向と市場の期待
スーパーマイクロの株価は、決算発表後の4月30日の時間外取引で10.11%下落しました。これは、投資家が更なる好材料を期待していたことによるものと思われます。実際、過去8四半期中7四半期で業績予想を上回っており、この四半期も高い業績が期待されていましたが、これまでのような事前発表がなされなかったために不安が広がっていました。
競争力と市場のリーダーシップ
スーパーマイクロは、エヌビディアベースのAIサーバーを提供している数少ない企業の一つです。これにより、デル・テクノロジーズ(DELL)、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、レノボといった競合他社と比較して、AIとデータセンター技術の分野で独自の位置を築いています。その結果、過去1年で株価は541%の驚異的な上昇を遂げています。
業績の詳細と今後の展望
第3四半期の調整後利益は1株当たり6.65ドルで、前年同期の1.63ドルから増加し、会社予想の1株当たり5.20ドル〜6.01ドルを上回り、アナリストのコンセンサス予想の1株当たり5.80ドルを上回りました。
6月期の売上高は51億ドル〜55億ドル、調整後の利益は1株当たり7.62ドル〜8.42ドルとの見込みが示されました。アナリストのコンセンサス予想では、売上高は49億ドル、調整後の利益は1株当たり7.18ドルとされていました。
さらに、2023年通年の売上高予想は147億ドル〜151億ドルに引き上げられ、1株当たりの調整後利益は23.29ドル〜24.09ドルと見込まれています。前回のガイダンスでは、売上高は143億ドル〜147億ドルとされていました。アナリストのコンセンサス予想では、売上高は146億ドル、利益は1株当たり21.95ドルとされていました。
経済環境とテクノロジーの進化
最近のマイクロソフト(MSFT)やアルファベット(GOOGL)の決算報告が示すように、クラウドコンピューティングとAIインフラへの投資が増加しています。これは、スーパーマイクロやその他のAIハードウェア企業にとっても好材料であり、今後の市場動向に注目が集まっています。
まとめ
スーパーマイクロの最新四半期決算は、AIとデータセンター市場の成長に支えられた好決算でした。市場の高い期待には応えることができませんでしたが、同社の戦略的な製品ラインナップと市場でのポジションが、今後も株価を牽引し続けるか注目されるところです。
*過去記事はこちら スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI