オン・セミコンダクター(ON)は4月29日の市場が開く前に第1四半期決算を発表しましたが、第2四半期の財務ガイダンスが市場予測を下回ったにも関わらず、株価が4%上昇するという驚きの動きを見せました。同社の予想によれば、第2四半期の売上高は16億8000万ドル〜17億8000万ドル、1株当たり利益は86セント〜98セントとなる見込みです。これに対し、ファクトセット調べでは、アナリストたちは、売上高18.2億ドルと1株当たり1ドルの調整後第2四半期利益を予想していました。
第1四半期の実績は、調整後利益が1株当たり1.08ドル、売上高が18.6億ドルで、アナリストの予想を上回っています。これにより、投資家は一定の安心感を持っている可能性があります。オン・セミのCEO、ハッサン・エル・クーリー氏は、「世界のエネルギー需要の増大とともに電力が重要な役割を果たし、効率性が最も重要視される中、当社は業界をリードする電力技術とセンシング技術で市場シェアを拡大し続ける」と述べ、同社の技術力と市場での地位を強調しました。
電気自動車産業の減速はチップの需要に対する投資家の懸念事項でしたが、それにもかかわらず、オン・セミの株価は29日に上昇しました。SiC/EV(シリコンカーバイド/電気自動車)への露出が高いことが、オン・セミの魅力の一つとなっています。この株価の上昇は、自動車産業向けチップを製造する他の企業にとっても前向きな兆候と捉えられています。
自動車産業にサービスを提供する企業グループの中でも、マイクロチップ・テクノロジー(MCHP)、アナログ・デバイセズ(ADI)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)などが注目されており、次回の決算発表に向けて、業界の関心が高まっています。マイクロチップ・テクノロジーは5月6日に第4四半期の決算を発表予定で、アナログ・デバイセズの第2四半期決算は5月22日に控えています。これらの結果が、市場の見方や投資戦略にどのように影響を与えるか、引き続き注目が集まっています。