クアルコム(QCOM)は人工知能に対応したスマートフォンやパソコンの新興市場で有利な立場にあるとしてベンチマークのアナリストが4月23日、同社株を推奨しました。
アナリストのCody Acree氏は、格付けを「買い」とし、目標株価を現在の株価水準より約30%高い200ドルとして、同社のカバレッジを開始しました。23日の取引では、クアルコム株は1%高の161.72ドルで取引されています。
2024年から2027年にかけての市場予測とクアルコムのポジション
Acree氏によると、クアルコムは生成AIに対応したスマートフォン市場で非常に強力な地位を築いています。同氏はカウンターポイント・リサーチの予測を引用し、2024年には市場の11%を占めると見られるAIスマートフォンが、2027年までには47%に急増すると予想しています。クアルコムはこの分野で、競合他社を大きく引き離し、AIスマートフォン用チップ市場の80%以上を占めると同氏は予測しています。
これらのAIスマートフォンには、ライブ翻訳、記事の要約、音声書き起こし、AI写真編集などの革新的な機能が搭載される予定です。Acree氏は、クアルコムがAI計算の推論ワークロードをネットワークのエッジにシフトする業界トレンドを利用して、特に有利な立場にあると強調しています。
PC市場での成長と競争
一方、パーソナルコンピューター市場でもクアルコムはインテル(INTC)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)との競争を展開しています。Acree氏は、PC市場は第1四半期に3%成長したものの、その後は連続して前年同期比での減少が見られるとしています。しかし、2030年までにはAI PC市場が年間50%以上の複合成長率で拡大すると同氏は予測しており、クアルコムには新たな市場で足掛かりを築く大きなチャンスがあると見ています。
スマートフォンとPCの更新サイクルが市場への影響
さらに、スマートフォンとPCの更新サイクルは、市場の停滞に対する投資家の懸念を緩和する効果があるとAcree氏は考えています。また、自動車やモノのインターネット(IoT)アプリケーションといった新興市場からクアルコムのチップが利益を得ると同氏は見ています。
まとめ
このように、クアルコムはAI技術の進化を背景に、スマートフォンおよびPC市場で確固たる地位を築くと共に、新たなビジネスチャンスを掴むことが期待されます。投資家にとっては、クアルコムの株式は将来的に大きなリターンをもたらす可能性があり、注目の投資先と言えます。