アップル (AAPL) は、長期的な成長の潜在力とともに、現在多くの投資家が注目している不確実性を抱えています。マキシム・グループのアナリスト、トム・フォルテ氏はこのほどアップルのカバーを開始し、格付けを「ホールド」、目標株価を178ドルに設定したことを発表しました。
同氏は、現在のアップルが抱える3つの問題点を指摘しています。
AI競争におけるアップルの立ち位置
2023年に他のハイテク企業がAI技術を取り入れる中、アップルはAIへの取り組みをあまり公にしていません。フォルテ氏は、「アップルは人工知能のトレンドを活用することに遅れをとっている」と指摘しており、これが株価にとっての潜在的なリスクであると警告しています。しかし、アップルが6月のワールドワイド・デベロッパーズ・カンファレンスで新しいAI戦略を発表することが期待されており、これが株価の回復に寄与する可能性があります。
中国市場におけるリスクと機会
アップルのビジネスは、中国市場に大きく依存しています。2023年には総売上の約19%が中国からのものでしたが、中国経済の不確実性と競争の激化が懸念されています。フォルテ氏は、「アップルが中国市場に過度に依存している」と述べ、これがさらなるリスク要因であると警告しています。
iPhone依存の問題
アップルの売上の大部分はiPhoneからのもので、2023年には全体の約52%を占めています。しかし、高インフレと金利の上昇が消費者の購買力を圧迫しており、iPhoneの売上が減少するリスクが常に存在します。これは、アップルの収益に大きな影響を与える可能性があることをフォルテ氏は指摘しています。
アナリストの見解の対立
アナリスト間では意見が分かれています。ウェドブッシュのダン・アイブス氏は、アップルに対して「買い」の評価を継続しており、AI技術の積極的な取り組みが株価を押し上げると予想しています。同氏の目標株価は250ドルで、アップルの技術革新と市場戦略に対する楽観的な見方を反映しています。
ファクトセットの調べでは、アップルをカバーする45人のアナリストのうち、25人が「買い」、15人が「ホールド」、5人が「売り」としています。
まとめ
アップルの株価は、AI技術の取り組み、中国市場でのポジション、そしてiPhoneへの依存という三つの重要な要因によって左右されます。投資家はこれらの要素を慎重に評価し、自身の投資戦略を調整する必要があります。
*過去記事はこちら アップル AAPL