AI技術が引き起こすシスコの変革と市場評価の高まり

  • 2024年4月16日
  • 2024年4月16日
  • BS余話

シスコ・システムズ(CSCO)が最近、業界アナリストから大きな注目を集めています。特に、BofAグローバル・リサーチのタル・リアーニ氏による格付けの引き上げが象徴的です。リアーニ氏はシスコの格付けを「中立」から「買い」に変更し、目標株価を55ドルから60ドルに引き上げました。このポジティブな評価は、他の金融機関からの評価とも連動しています。

モルガン・スタンレーとシティのアナリストもシスコの株に対してポジティブな見解を示しています。モルガン・スタンレーはシスコを「オーバーウエイト」と評価し、目標株価を58ドルに設定。シティのアティフ・マリック氏は、5月15日に発表される決算報告と6月のインベスターデーを前に、シスコ株をポジティブなカタリスト・ウォッチに取り上げました。

リアーニ氏の分析によれば、シスコの成長の鍵はAI技術への注力にあります。同社はクラウド・コンピューティング・プロバイダー向けにAI関連のイーサネット・ネットワークの構築を進め、セキュリティ製品ポートフォリオの拡大を図っています。さらに、観測ソフトウェア企業Splunkの買収が完了したことにより、シナジー効果が期待されています。

ただし、リアーニ氏は注意を促しています。次の2四半期において、パンデミック時の過剰注文による顧客の過剰在庫が圧迫要因となる可能性があるとのことですが、この供給不均衡は市場の予測にすでに反映されており、経営陣の見解は「十分に保守的」との見方を示しています。

AI分野での新たな商機も追求しています。エヌビディア(NVDA)との提携を通じて、GPUとシスコのサーバーやスイッチ、クラウドベースの管理ソフトウェアを組み合わせた新製品の開発が進行中です。この動きは、InfiniBandからイーサネットへの技術移行を支援し、AIインフラの強化を図るものです。

シスコシステムズは、テクノロジーの進化と市場のニーズに応じた戦略的な投資により、今後も成長の余地があると考えられます。投資家や市場関係者は、このテクノロジー大手の次の動きから目が離せません。
*過去記事「エヌビディア株が700ドル突破後に反落!利益確定売りとシスコ提携の影響を解析

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