2023年からの価格上昇を経て、マイクロソフト(MSFT)の株価は2024年に入りさらに上昇し、4月15日の終値は413.64ドルに達しました。株価は、過去5年の平均倍率28.8倍を上回る、次の12ヶ月間の予想収益の32倍以上の価格で取引されています。この株価の上昇は、ソフトウェア業界内で進行中の「世代交代」においてマイクロソフトが如何に重要な役割を果たしているかを示しています。
メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、マイクロソフトは「ソフトウェア分野での唯一の明確な勝者」と評価しています。特に注目すべきは、生成AI生産性ツール「Copilot」の影響です。Copilotは、Excel、Outlook、Teamsなどのアプリケーションに組み込まれ、ChatGPTのように機能しており、これがマイクロソフトの業績をさらに押し上げると見られています。「Copilotの有料バージョンは、近い将来マイクロソフトの損益を徐々に改善させるだろう」とライツェス氏は分析しています。
一方で、アドビ(ADBE)の株価は2024年に入って21%下落し、前年の77%の上昇から一転しています。アドビの位置づけはまだ確定しておらず、新興の競争者との戦いがその地位を揺るがしています。特に、Runway Gen-2やOpenAIのSoraなどとの競争が激化する中、同社は先月、市場の予想を下回る見通しを発表しました。ライツェス氏は「市場にノイズを生み、多くの投資家にアドビの堀は考えられているほど広くないと感じさせる」と評しています。
マイクロソフトの堅固な地位と革新的な取り組みは、投資家にとって明確な魅力を持つ一方で、アドビの不確実性はリスクを意識する必要があることを示しています。これらの動向は、ソフトウェア業界における投資機会として注目されており、戦略的な投資判断が求められる状況です。