クラウドコンピューティングと人工知能(AI)の分野での卓越した成果が、マイクロソフト(MSFT)の株価を今後数年間で大きく押し上げる可能性があるとモルガン・スタンレーのアナリストが分析しています。同行のアナリスト、キース・ワイス氏は、マイクロソフトに対して再び「オーバーウエイト」の格付けを行い、目標株価を従来の465ドルから520ドルに引き上げました。これは現在の株価から約23%の上昇余地があることを示しています。
マイクロソフトは、特にMicrosoft 365 Copilot、GitHub Copilot、Azureクラウド事業といったAI関連事業の強化を背景に、今後の株価上昇が期待されます。ワイス氏によると、これらの事業からの売上は2024年度の推定50億ドルから、2029年度には670億ドルへと急増する見込みです。これにより、マイクロソフトの年間売上高の成長率は約4ポイント向上することになります。また、同氏が想定する「強気のケース」では、AIの売上は2029年度に1200億ドルに達する可能性があると見ています。
これに伴い、1株当たりの利益も年率16%で成長し、2024年度の11.72ドルから2029年度には24ドルに達すると見込まれています。
IT支出におけるクラウド事業のシェアも拡大しており、IDCのデータによると、2018年の14.5%から2023年には18%に増加しています。2027年までにはこれがさらに21.3%に達する可能性があるとワイス氏は指摘しています。このデータは、マイクロソフトがどれだけ迅速に市場のニーズに対応し、イノベーションを推進しているかを示しています。
*過去記事 マイクロソフト MSFT