今年に入ってからの記録的な株高で、ウォール街のトップ・ストラテジストの多くが足元をすくわれました。現在彼らは足元の状況を踏まえ、2024年末のS&P500目標の見直しを行なっています。
3月22日の時点でウォール街の各社が予想しているS&P500の目標以下のとおりです。全15社のうち、昨年12月11日時点での目標から上方修正した会社が7社、据え置いて変えなかった会社が8社、引き下げた会社はゼロとなっています。
会社名 | 3月22日時点の2024年S&P500目標 | 12月11日時点の2024年S&P500目標 |
ソシエテ ジェネラル | 5500 | 4750 |
バンク・オブ・アメリカ | 5400 | 5000 |
ヤルデニ・リサーチ | 5400 | 5400 |
バークレイズ | 5300 | 4800 |
ゴールドマン・サックス | 5200 | 4700 |
UBSグローバル・ウェルス・マネジメント | 5200 (上昇シナリオでは5500 ) | 4700 |
オッペンハイマー・アセット・マネジメント | 5200 | 5200 |
ファンドストラット | 5200 | 5200 |
RBC | 5150 | 5000 |
シティ | 5100 | 5100 |
ドイツ銀行 | 5100 | 5100 |
BMO キャピタル・マーケッツ | 5100 | 5100 |
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュート | 4900 | 4625 |
モルガン・スタンレー | 4500 | 4500 |
JP モルガン | 4200 | 4200 |
平均 | 5097 | 4891 |
中央値 | 5200 | 5000 |
過去2ヶ月で5社がS&P500の目標を引き上げました。21日、ソシエテ・ジェネラルのストラテジストが年末の目標を4,750から5,500に引き上げ、これは上記15社の中で最も高い目標となっています。
3月初めには、バンク・オブ・アメリカとバークレイズのストラテジストが、それぞれS&P500の年末目標値を5,400と5,300とし、強気派に加わりました。
ゴールドマン・サックスは2月、昨年末以来2度目の上方修正となる5,200ドルに予想を引き上げました。オッペンハイマーやファンドストラットなど、ウォール街で最も強気な予想家たちと歩調を合わせる形となっています。
ただ、2024年の株式市場について、悲観的な見方をする向きもあることは注目に値します。モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、ウォール街で最も弱気なストラテジストの一人で、年末のS&P500の目標は4,500と、上記15社の予想中央値より13.5%低い目標を立てています。
JPモルガン・チェースは、ウォール街の企業の中で最も弱気な予想をしており、S&P500は4,200で今年を終えると見ています。
ただ、こうしたストラテジストの予想をどこまで信用できるかという問題があります。マーケットウォッチによれば、ウォール街のストラテジストたちは2023年の株価上昇を予想できず、その中央値は2023年末のS&P500の終値より10%ほど低かったということです。このことは、ストラテジストたちの予想に一定の慎重さを持って接する必要があることを示唆しています。