エヌビディアが切り開くAIの未来:アナリストが語るブラックウェルの可能性

3月18日から始まった年次GTCイベントの冒頭で待ち望まれていた新製品ブラックウェルを発表したエヌビディア(NVDA)。「エヌビディアの画期的な新AI半導体:AIとコンピューティングの未来を再定義

材料出尽くし感によるものか、翌日3月19日の市場では一時前日比4%安と株価が下落しました。しかし、今回の発表はウォール街のアナリストに感銘を与えたようで、ポジティブなコメントが相次いでいます。

カンター・フィッツジェラルド

カンター・フィッツジェラルドのアナリスト、C.J.ミューズ氏は、イベント後の顧客向けメモで、「15,000人以上の満員の聴衆を前にしたジェンスン・ファン氏の基調講演で、意味のある驚きを聞けたとは言えないが、今日は、(現在も将来も)エヌビディアが(人工知能で)優位に立っていること、そして、同社がAIを世界に民主化し、投資家に大きな価値を提供するために、いかに革新を続け、計算コストを引き下げているかを明確に思い出させるものだった」と述べています。

過去1年間の急成長と今年後半に予想される好調な業績継続を受けて、エヌビディアが2025年に「空白期間」に突入することを懸念する向きもあるかもしれないものの、ミューズ氏はウォール街がそのような見通しを心配する必要はないと考えています。

同社が発表したばかりのブラックウェル・チップ・アーキテクチャは、「2025年に重要な成長ドライバーとなる可能性が高い」と同氏はコメントし、「オーバーウェイト」の格付けと目標株価1,200ドルを維持しました。

トゥルイスト証券

トゥルイスト証券のアナリスト、ウィリアム・スタイン氏もブラックウェルの見込みに同意しており、「少なくとも2025年までは需要を刺激し、高い成長を支えるだろう」と見ています。

「今後1-2年で業績が下降する可能性は低いとの見方が強まっている」とする同氏は、エヌビディアのソフトウェア・パートナーシップの広がり(より多くのワークロードを同社のハードウェアにもたらす可能性がある)と、クラウドネイティブなマイクロサービスの立ち上げについても評価しています。

このアプローチについて、「高性能モデルを “コンテナ化 “し、開発者がエヌビディアや他のサプライヤーからのソフトウェアやモデルに簡単かつ一貫してアクセスできるようにするものだ。この動きは、ソフトウェアとモデルにおけるエヌビディアの優位性を、開発者向けに強化する方法のように見える」と同氏はコメントしています。

同氏はエヌビディアの格付けを「買い」とし、目標株価を1177ドルとしています。

バーンスタイン

バーンスタインのステイシー・ラスゴン氏は、今年のGTCでエヌビディアが過大な期待に応えるのは「難しいかもしれない」としつつ、それでもファンCEOのプレゼンには感銘を受けたとコメントしています。

「ブラックウェルは強力なものになりそうで、チップだけでなく、より広範なソフトウェアとハードウェアのエコシステムに対する同社の継続的なプッシュは、依然として比類のないものだ(そして、我々の意見では、(これに)対抗するのは難しい)」と同氏は書いています。

ラズゴン氏は、格付けを「アウトパフォーム」、目標株価を1000ドルとしています。

シュティフェル

シュティフェルのルーベン・ロイ氏は、新ラインナップの推論性能がH100に比べて飛躍的に向上していることを指摘し、「ロングテールの推論ワークロードの競争環境が過熱する中、注目に値する」と評価しました。同氏はまた、発表された顧客リストが長く、過去のH100発表時とは対照的であることも強調しています。同氏はエヌビディアの格付けを「買い」とし、目標株価を910ドルとしています。

ローゼンブラット証券

ローゼンブラット証券のアナリスト、ハンス・モーゼスマン氏は、ブラックウェルを「シリコンバレーがこれまで目撃した中で最も野心的なプロジェクトだろう」と呼び、”2025年まで “に完売するとの見方を示しました。同氏は目標株価は1400ドルに設定しています。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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