マイクロン・テクノロジー(MU)の株価が、来週の決算報告を前に3月15日の市場で3%近く上昇しています。シティのアナリスト、クリストファー・ダネリー氏による目標株価の大幅な引き上げが、この上昇の要因になっているようです。ダネリー氏は、マイクロンの目標株価を95ドルから150ドルに引き上げ、その主な理由として同社の人工知能(AI)への取り組みを挙げています。マイクロンの株価は94ドルあまりで取引されており、新しい目標株価は60%の上昇余地があることを示しています。
マイクロンのAI戦略が株価上昇のカギ
マイクロンは、AI技術の発展とその応用に積極的に取り組んでいます。ダネリー氏は、「AIへのエクスポージャーの増加や、AVGOやAMDなど他のAI関連銘柄を考えると、MU株にはプレミアムがつくはずだ」と述べており、これが株価の大幅な上昇を支える主要因と見ています。
ウォール街の期待高まる第2四半期決算報告
ダネリー氏の目標株価引き上げは、マイクロンの第2四半期決算報告の5日前に行われました。ウォール街は、特にAI分野における同社の成長について経営陣からの報告を期待しており、マイクロンの生成AIへの取り組みに対する期待感は高まっています。過去1年で株価はすでに61%上昇しており、これは市場が同社の将来性を高く評価している証拠です。
良好な業績見通し
「好調なDRAM価格と、エヌビディアと一緒に出荷される高価格で利益率の高い広帯域メモリの出荷を考慮すると、F3Q24のガイダンスはコンセンサス予想から上方修正され、増額されると予想する」とダネリー氏は述べています。DRAMはパソコンに使用されるダイナミック・ランダム・アクセス・メモリのことで、これがAIシステムとともに出荷されることで、マイクロンの収益性はさらに向上することが期待されます。
シュティフェルからの支持も
シュティフェルのアナリスト、ブライアン・チン氏もマイクロンに対して同様の見解を示しており、格付けを「ホールド」から「買い」に引き上げ、目標株価を80ドルから120ドルに引き上げました。チン氏は、「DRAMの逼迫した供給、コンテンツの増加、AI需要の増加に基づき、ASP(平均販売価格)は非常に強力なレバレッジを取り戻すと予想している」と述べています。
まとめ
マイクロンの株価は、AI分野への取り組みや市場の期待を背景に大きなポテンシャルを秘めています。アナリストたちの目標株価の引き上げやポジティブなコメントは、投資家にとって重要なシグナルと言えます。マイクロンがAI技術の発展に貢献し続けることができれば、その株価は今後も上昇の一途をたどることになるかもしれません。投資の際には、これらの点を踏まえた上で、慎重な判断を行うことが重要です。
*過去記事「マイクロンが切り開くAI半導体市場の新地平」