エヌビディア(NVDA)は、2021年以降1兆ドル以上の市場価値を加え、その株価は記録的な高騰を続けています。特に今年は、AI技術の先駆者としての地位を確固たるものにし、前回の株式分割水準を大きく上回る1,000ドル台に近づく株価を記録しています。この驚異的な成長は、昨年の240%の増加からさらに加速しており、強気派は将来の利益成長率に基づく評価がまだ割安だと主張しています。しかし、高騰する株価は潜在的な投資家を躊躇させるかもしれません。
エヌビディアが最後に実施した株式分割は2021年5月で、当時の株価は約600ドルでした。株式分割は、投資家と従業員にとって株式所有をより身近なものにするために行われました。
*2021年6月9日掲載記事「エヌビディア 株式分割を株主が承認 今後の展開は?」
マホーニー・アセット・マネジメントのケン・マホーニーCEOは、エヌビディアが将来的に株式分割を行う可能性があると見ており、それによって株価が手の届きやすいものになり、小規模の個人投資家がこの株に投資しやすくなると予想しています。
一方、シルヴァント・キャピタル・マネジメントLLCのマイク・サンソテラCIOは、個人投資家がより安価な株を好む心理的傾向を指摘しています。株式分割は、このような心理を利用し、小口投資家を引きつけるための一つの手法です。実際に、エヌビディアのような株式は、バンダ・リサーチ社のデータによると、個人投資家の間で最も取引されている銘柄の一つです。
株式分割による株価の調整は、企業の基本的な価値に影響を与えるものではありませんが、より多くの投資家にとってアクセスしやすいものにします。ナスダック100では昨年、ハイテク・ラリーの中で株式を分割した企業はありませんでしたが、パンデミックの時期にはアップルやテスラが株式分割を行いました。アマゾンとアルファベットも2022年に株式分割を実施しましたが、マイクロソフトは2003年以来株式分割を行っていません。
エヌビディアの継続的な上昇軌道と一貫した成長が続けば、株式分割は「理にかなっている」とされ、投資家にとって更なる魅力的な選択肢になるかもしれません。エヌビディアの動向は、AI技術の進化と市場の成長を反映しており、投資家にとって注目すべきポイントです。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA