アップル(AAPL)にとって2024年はあまりいい年とはなっていません。特に中国市場では、Counterpoint Researchによる最近の報告によると、iPhoneの販売台数が前年比で24%も減少しており、これはスマートフォン全体の市場縮小率7%を大幅に上回っています。これに対して、地元のライバル企業であるファーウェイは、同期間に64%もの販売台数増加を成し遂げました。これには、昨年、中国政府が公務員のiPhone使用を禁止したことが影響していると考えられます。加えて、アップルの主要製造パートナーであるフォックスコンの2月の売上が12%減少したことも、この困難な状況を反映しています。
今年に入ってからのアップル株価は、グローバルなiPhone販売台数の減少を予測したアナリストの報告を受けて9%も下落しました。さらに、アップルはEUからアプリストアの競争法違反疑惑で約20億ドルの罰金を科されるなど、レギュレーションの面でも挑戦に直面しています。これに加え、アップルが電気自動車開発プロジェクトを断念したというニュースも、投資家の間で議論を呼んでいます。
しかしながら、ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブズ氏はアップルの将来に対して依然として楽観的です。同氏は、アップルの2024年の売上目標は達成可能であり、新製品への需要は健在で、サービス事業は強力な成長を遂げていると述べています。さらに、アップルが間もなく製品に人工知能を取り入れ始めることから、新たな成長の機会が生まれると予想しています。
アイブズ氏は、「アップルには明るい日々が待っているが、現時点では中国市場の問題が大きな障害となっている」と述べ、目標株価を250ドルとし、「アウトパフォーム」の格付けを維持しています。
この状況は、投資家にとっては短期的な挑戦である一方で、長期的な視点からはアップルの革新性と適応能力が試される機会でもあります。アップルがどのようにこれらの困難を乗り越え、成長の道を切り開くかは、今後の注目ポイントです。
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