過去1年で715%の急騰を遂げたスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)ですが、ローゼンブラット証券によると、この上昇トレンドはまだ終わらないようです。特に人工知能(AI)技術への投資家の興味が高まる中、同社の株価にはさらなる上昇の余地があるというのが、ローゼンブラットのアナリスト、ハンス・モーゼスマン氏の見解です。
モーゼスマン氏はスーパーマイクロの目標株価を700ドルから1300ドルに大幅に引き上げ、「買い」の格付けを維持しました。これは、2月16日の終値803.32ドルから見て62%の上昇を意味します。ファクトセットが調査したアナリストの中で、これは最も高い目標株価となります。
AIコンピューティング市場での戦略的ポジション
この目標株価の引き上げは、AIコンピューティングの強力な成長と、この急速に進化する市場におけるスーパーマイクロの戦略的ポジションを反映したものです。特に、液冷技術の採用は同社の成長の大きな要因とされています。スーパーマイクロは、ハイパワーのAIコンピューターに対して液冷ソリューションを提供しており、これはAIにおけるクラウド・コンピューティングの規模での課題を克服するための重要な開発となっています。
モーゼスマン氏は、「液体冷却技術は、従来のプレーヤーがあまり機敏ではなかった領域である、ハイパースケール・エンゲージメントを高めるための舞台となる」と述べています。
市場競争と株価見通しの異なる見解
しかし、すべてのアナリストがこの楽観的な見方を共有しているわけではありません。ウェルズ・ファーゴのアナリスト、アーロン・レイカーズ氏は格付けを「イコールウェイト」、目標株価を960ドルとしており、「株価はすでに堅実な上昇を織り込んでいる」との立場を取っています。レイカーズ氏は、AIサーバー市場における従来のベンダーとの競争激化に慎重な姿勢を示しています。
投資家にとっての判断材料
スーパーマイクロへの投資を検討している方々にとって、これらの異なる見解は重要な判断材料となります。AI技術の進化と市場の成長が続く中、同社の戦略的ポジションと技術的進歩が、株価のさらなる上昇を後押しする可能性があります。しかし、市場競争の激化も無視できないため、投資判断を行う際には、これらの要素を総合的に評価することが重要です。
*過去記事はこちら スーパー・マイクロ・コンピュータ SMCI