アップル株の急落:バークレイズとパイパー・サンドラーの格下げが引き起こす波紋

2024年が始まり、ウォール街はいくつかの変化を目の当たりにしています。特に、アップル(AAPL)は新年早々から試練を受けています。バークレイズとパイパー・サンドラーのアナリストによる格付けの引き下げが影響し、株価は5%以上も下落しました。これらの格下げの背景には、iPhoneの需要減退への懸念があります。

バークレイズは、プレミアムスマートフォン市場の競争激化を指摘し、アップルの格付けを「アンダーウェイト」に下げました。パイパー・サンドラーも「オーバーウエート」から「ニュートラル」へと格下げし、目標株価を15ドル引き下げ205ドルに設定しました。こうした動きによってアップルの株価は下落しています。

しかし、アップルの強みはまだ多く残っています。CEOのティム・クック氏は、サービス部門の成長に注力しており、2023年に売上は780億ドルから850億ドルに増加しました。ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は、アップルのサービス事業の価値を1.6兆ドルと評価し、2024年末までに同社が初の4兆ドル企業になると予測しています。

一方で、アップルのサービス事業は米国政府の規制を受けるリスクがあります。特に、グーグルとのサファリ・ブラウザのデフォルト検索エンジンとしての契約が、司法省の反トラスト法裁判の影響を受ける可能性があります。

アップルは、AI技術の統合により消費者体験を向上させていますが、ライバル企業と比較すると、AI分野での露出が少ないと見なされています。マイクロソフト(MSFT)やメタ・プラットフォームズ(META)のような企業がAI技術に力を入れる中、アップルが取り残されるリスクがあります。しかし、アップルの製品はユーザー体験に焦点を当て、革新的な技術を取り入れることで差別化を図っています。

アップルの株価は、テック業界全体の動向と密接に関連しています。AIブームが続く中で、アップルがどのように市場の変化に対応し、成長していくかが注目されます。アップルの将来は依然として明るい可能性がありますが、競争の激化するテック業界でのポジション確保は簡単ではありません。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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