AI半導体需要の急増に対応するTSMCの戦略と今後の展望

  • 2023年12月9日
  • 2023年12月9日
  • BS余話

台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)の最高経営責任者(CEO)、C.C.ウェイ博士が、人工知能(AI)半導体の需要増加が半導体業界に新たな挑戦をもたらしていることを明らかにしました。「業界はAIの需要に応えるために、生産能力の拡大が必要である」と述べ、この分野の成長の速さを示唆しています。

TSMCのCEOは特に、AI半導体の電力需要の増加に対処するために、性能だけでなく、効率的な電力管理技術の開発が必要であると指摘しました。AIの電力需要は今後2年間で3倍に増加する可能性があり、消費電力の削減は業界にとって重要な課題となっています。

TSMCは、高性能半導体市場のリーダーであり、エヌビディア(NVDA)のような大手企業のAI半導体を製造する主要サプライヤーとして知られています。また、アップル(AAPL)のiPhoneコアプロセッサやクアルコム(QCOM)のモバイルチップセット、AMD製プロセッサなど、多様な高性能デバイスにもその技術が応用されています。TrendForceによると、TSMCはサードパーティ製半導体製造事業の市場シェアの約56%を占め、その地位を確立しています。

さらに、ウェイ氏はAIの社会への影響にも言及し、医療、自動車の安全性向上、資源消費の抑制など、様々な分野でのAIの活用可能性を指摘しました。

2024年はインフレの高止まりと外的要因によるコスト上昇が予想される中、TSMCは自社とサプライヤー・パートナーが協力し、目標達成に向けて楽観的な姿勢を示しています。AI半導体市場の急速な成長に対応するため、TSMCは先進技術の開発と生産能力の拡大に注力していくことが予想されます。

*過去記事「TSMCの株価急上昇:10月売上高が示す半導体業界の未来

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