半導体メーカーのマーベル・テクノロジー（MRVL）は、11月30日に発表した第3四半期決算発表で、顧客が直面する厳しい状況にも関わらず、データセンター事業が来年も成長を続けるという前向きな見通しを示しました。同社の株価は決算発表後に5％あまり下落しましたが、データセンター部門における成長の潜在力は、投資家にとって注目すべきポイントです。
厳しいマクロ経済環境への適応
CEOのマシュー・マーフィー氏は、ワイヤレス・キャリア・インフラやエンタープライズ部門での売上の落ち込みが、厳しいマクロ経済環境と顧客の在庫調整の長期化によるものであると説明しました。しかし、同社のデータセンター部門は、特にカスタムAI半導体事業とネットワーク機器において、第3四半期に市場予想を上回る売上を記録し、今後の成長が期待されています。
AIの普及が半導体需要を牽引
人工知能（AI）の急速な普及は、マーベルの半導体需要を押し上げる重要な要因となっています。同社はアマゾン・ドットコム（AMZN）のクラウド・コンピューティング部門など、企業向けのカスタムチップ製造を支援しており、その分野での成長が期待されています。ただし、企業向けおよび通信事業者向けビジネスにおける在庫一掃が新規受注の見通しを鈍らせる可能性もあり、注意が必要です。
第4四半期の業績予測
今期の売上予想は14億2,000万ドル（プラスマイナス5％）で、調整後ベースの利益は1株当たり46セント（プラスマイナス5セント）を見込んでいます。これは、1株当たり49セントの利益予想に比べてやや控えめな数字ですが、AIの影響により第3四半期の売上高と利益でウォール街の予想を上回るなど、ポジティブなサプライズも期待できます。
まとめ
マーベル・テクノロジーは、現在厳しい市場環境に直面しているものの、データセンター事業、特にAI関連の半導体需要が同社の成長の原動力となっています。今後もこの分野の動向に注目し、長期的な投資戦略を考慮することが重要です。