テスラ(TSLA)の株価は11月9日、HSBCアナリストのマイケル・ティンダル氏による弱気な格付けの発表の結果、下落しました。株価は時間を追って下落しており米国東部時間2:15PM現在では6.3%安となっています。
ティンダル氏のレポートでは、テスラ株に対する146ドルの目標株価が設定され、これは最近の水準から約34%の下落を意味しています。同氏はテスラを「売り」と評価し、これは主にバリュエーションと投資家の視点に関する問題から来ています。テスラの野心はイノベーションにあり、その評価はカリスマ的なCEOの影響による部分が大きいと同氏は述べています。
現在テスラの時価総額は約7000億ドルに迫るほどになっていますが、ティンダル氏が設定した目標株価であれば、その時価総額は4700億ドルになります。テスラの電気自動車事業だけでは、現在の株価を正当化するほどの価値はないとティンダル氏は指摘しています。
さらに、エネルギー貯蔵、自動運転車、ロボット、人工知能コンピューティングなどの事業は、規制上のハードルが高く、将来の成長が予想よりも鈍化する可能性があると同氏は言います。
ファクトセットのデータによると、テスラ株を担当するアナリストの約43%が「買い」と評価しており、これはS&P 500種構成銘柄の平均的な「買い」評価比率55%に比べると低い数字です。新たな「売り」評価は「買い」評価比率を変えることはないものの、「売り」評価の比率を高めています。
テスラのアナリストによる平均目標株価は239ドルで、買いと評価しているアナリストの中で平均目標株価は290ドル、売りとしたアナリストの平均は120ドルです。
ティンダル氏は、同氏の目標株価が一株当たり利益の倍率と割引キャッシュフローモデルの両方に基づいていると述べています。テスラ株は2024年の推定利益の約57倍で取引されており、これはFAANG株やマイクロソフト(MSFT)などの平均フォワード株価収益率約26倍と比較しても高い評価です。
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