アマゾン(AMZN)は10月26日、予想を大きく上回る第3四半期の決算を発表し、市場の注目を集めています。
第3四半期の業績
第3四半期の売上高は1,431億ドルで、前年同期比13%増となり、6月期の11%増から加速し、同社のガイダンスレンジの上限を上回りました。
利益は1株当たり94セントで、コンセンサス予想の58セントを大きく上回りました。純利益99億ドルには、リヴィアン・オートモーティブ(RIVN)株式の税引き前利益11億ドルが含まれています。
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の売上高は231億ドルで、前年同期比12.3%増。これはウォール街の予想とほぼ一致し、前四半期の12.2%増と同じでした。
アマゾンCFOのブライアン・オルサフスキー氏は記者団との電話会議で、AWSの売上が3ヶ月前と比べて約9億ドル増加したと述べています。同氏はまた、顧客は引き続き支出の最適化に注力しているが、そのプロセスは減速していると指摘しました。同氏はAWSの成長率が底を打ったかどうかについては言及を避けています。
営業利益は112億ドルで、会社予想の55億ドルから85億ドルを大きく上回りました。これには北米での43億ドルの営業利益が含まれており、前年同期の4億ドルの損失から一転しています。AWSの営業利益は70億ドルで、前年同期の54億ドルから増加しました。
アマゾンCEOのアンディ・ジャシー氏はプレスリリースの中で以下のように述べています。
第3四半期は、店舗事業におけるサービス提供コストと配送スピードがさらに一歩前進し、AWSの成長が引き続き安定し、広告収入が堅調に伸び、全体的な営業利益とフリーキャッシュフローが大幅に増加したため、好調な四半期となった。
オンラインストアの売上高は573億ドルで7%増と、6月期の4%増から改善し、サードパーティ・サービスの売上高は3,430億ドルで20%増と、6月期の18%増から改善しました。
アマゾンによると、サブスクリプションサービス(主にアマゾンプライム)の売上高は102億ドルで、14%増。実店舗での売上は50億ドルで、6%増となっています。
広告収入は6月期の22%増から26%増の121億ドルに急増しました。オサフスキー氏は、同社は地政学的な影響を受けていないと述べています。中東での暴力の勃発に関連した支出の減速が見られると決算説明会で述べたメタ・プラットフォームズ(META)とは対照的です。
またオサフスキー氏は、ターゲティングの改善とクリックスルー率の向上により、広告の成長率が会社全体の成長率を上回っているとも述べています。
今後の見通し
アマゾンは第4四半期について、売上高1600億ドル〜1670億ドル、営業利益は70億ドル〜110億ドルという見通しを示しました。これは、ウォール街の予想(売上高1,672億ドル、営業利益87億ドル)に非常に近い数値です。
株価の動向
アマゾンの株価は電話会議が行われている前でのアフターマーケットでは26日の終値とほぼ同じ価格で取引されていましたが、アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)が電話会議で、AWSは第3四半期後半にいくつかの大型契約を計上したと述べた後、株価は上昇しました。
決算発表の翌日である27日の通常取引では市場が開いた直後から8%近く高騰しています。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN