糖尿病治療薬の影響:コカ・コーラの株価急落と投資の機会

  • 2023年10月13日
  • 2023年10月13日
  • BS余話

デンマークの製薬大手ノボノルディスクが販売する「オゼンピック」のような糖尿病治療薬の使用の増加が食品メーカー、肥満症手術や血糖監視装置メーカーの株価に打撃となっています。

先週、ウォルマート(WMT)が、オゼンピックのような効果的な減量薬の使用増加により飲料の売上が減少しているとコメントしたことで、コカ・コーラ(KO)の株価は10月5日に5%近く下落しました。

ソーダのような不健康な選択肢を避ける消費者行動のシフトや、消費カロリーを大きく減らすようになるかもしれないという情報を投資家は無視することはできませんが、コカ・コーラのような安定した大企業が1日で5%も下げるというのは、過剰な反応のように思えます。

61年連続で増配を続けているコカ・コーラは、配当王の中でも最も長寿の部類に入る銘柄です。連続増配の長さは、同社のブランド力とビジネスモデルの強さの証だと言えます。

しかも、同社は資本の賢明な使い方や、投資によって事業を多角化し、単なるソーダ会社以上の存在になっており、そうしたことがまだ株価に十分に反映されていないという評価もあるほどです。

現在所有している炭酸飲料以外の注目すべきブランドには、Bodyarmor、Costa Coffee、Gold Peak Tea、Minute Maid、Powerade、Schweppes、Simply、Smartwater、Topo Chico、Vitamin Waterなどがあります。

企業が新しい製品カテゴリーに進出する際、買収費用がかさみ、利益率が低下することが往々にしてありますが、コカ・コーラにそれは当てはまらず、ブランドの多様化は成功を納めています。

同社はいわゆる「現物」を扱う企業ですが、そうした製品を販売しているにもかかわらず常に高い営業利益率を誇っています。現在の営業利益率は歴史的な水準を上回り、過去最高水準に近づいています。同社の売上が2010年代初頭のピークから減少を続けていることを考えると、高い利益水準を維持していることは注目に値します。

コカ・コーラは真のグローバルブランドです。今年の第2四半期には、地域別売上高の46%と非地域別営業利益の31.8%だけが北米からもたらされていました。米国のソーダ部門は、同社のビジネスにおいて最も重要な部門であることに変わりはありませんが、もはやそれが会社を左右することはありません。

コカ・コーラは、経営がうまく、利益率が高く、多角的な企業であり、配当の伸びを期待できる会社です。ここ半年ほどの株価下落で、株価収益率は21.6まで下がり、配当利回りは3.5%まで上昇しました。現在は、この類まれなる優良企業への投資をじっくり考える絶好の機会かもしれません。

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