パランティア:AI需要が高まる中、なぜ株価は下落したのか?

パランティア・テクノロジーズ(PLTR)の株価は、モルガン・スタンレーのアナリストが、短期的な見通しに対する懸念から格下げしたため、8月31日の市場で急落しています。

モルガン・スタンレーのアナリスト、キース・ワイス氏は、パランティアの格付けを「イコールウェイト」から「アンダーウェイト」に格下げしました。しかし、その一方で目標株価は8ドルから9ドルに引き上げています。

「AI製品サイクルの短期的楽観論とバリュエーション・プレミアムは、AIP(人工知能プラットフォーム)の収益化の見通しがまだ低いため、株式のリスク・リターンが不利になる」とワイス氏はリサーチノートに書いています。

エヌビディア(NVDA)に代表される他のハイテク企業と同様にAIブームによってパランティアの株価は今年、2倍以上に高騰していますが、具体的にどのようにAI技術を現金化するについては明言していません。

アレクサンダー・シードモン・カープ最高経営責任者(CEO)は8月7日の決算説明会で、「どのように収益化するかはこれから考える。まず、我々は市場にAIとは何かを教えている。そして、その対価を請求するのだ。」と述べています。

ワイス氏は、この点を懸念しており、「収益化戦略をまだ決定していないことを明確にしている」ため、「AIへの陶酔はすでに評価に反映されているが、実現には時間がかかりそうだ。」と見ています。

8月初めに20ドル近くまで達していた株価は、31日において15ドルあまりまで下落しました。パランティアは第2四半期に顧客数が前年同期比で38%増加したと報告しましたが、売上高の伸びは13%でした。経営陣の売上成長率の見込みは、ウォール街では評価されていません。

D.A.デビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は決算発表後、「AI関連のワークロードが増えることで需要が拡大するという楽観論にもかかわらず、FY23の売上高ガイダンスは200万ドル増にとどまった。我々は、同社がAI需要を成長加速につなげるには、まだ大きな課題があると考えている。」と述べ、格付けを「ニュートラル」、目標株価を15ドルとしています。

*過去記事はこちら パランティア PLTR

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