アマゾン・ドット・コム(AMZN)は8月1日、同社のバーチャル・ヘルスケア・マーケットプレイス、アマゾン・クリニックのサービスを全米50州とワシントンD.C.の顧客に対して、年中無休で提供するという発表を行いました。
アマゾン・クリニックは、2022年11月にサービスを開始し、初期の段階では32州のみで利用可能でしたが、今回の拡大により利用範囲は全米に広がりました。これはデジタルヘルスケア領域でのアマゾンの地位を強化し、米国民の健康ケア体験を根本的に変える可能性を秘めています。
アマゾン・クリニックは、30以上の一般的な健康上の問題、例えば勃起不全、尿路感染症、結膜炎(ピンクアイ)などに対するケアを提供する第三者医療提供者へのアクセスを顧客に提供します。さらに、避妊や緊急避妊、喘息や高血圧、エピネフリン(エピペン)などの処方箋の補充も手がけています。
アマゾン・クリニックの特徴的なサービスとして、Amazon.comやアマゾンのモバイル・アプリを通じて、全米の顧客が臨床医にビデオ診察でアクセスできる機能が挙げられます。また、34の州ではメッセージ・ベースの診察も可能となっており、医療アクセスの改善に一役買っています。
アマゾンの医療分野への進出は以前から進行中で、2018年のオンライン薬局ピルパック(現在はアマゾンファーマシーと呼ばれている)の買収に続いて、最近ではプライマリケア組織ワン・メディカルを39億ドルで買収しました。
このニュースは遠隔治療を手がける企業の株価を圧迫しており、特にテレヘルスの大手、テラドック・ヘルス(TDOC)の株価は1日の市場で6.4%安の27.8ドルで取引されています。
*過去記事はこちら アマゾン AMZN