ラム・リサーチ株、大幅格上げの背景:AIとメモリチップがキー

  • 2023年7月25日
  • 2024年10月13日
  • BS余話

AI(人工知能)への投資が増加する中、その影響を受けるであろうテクノロジーの一つがメモリ技術です。そして、その中でも注目すべき存在がラム・リサーチ(LRCX)です。シュティフェルのアナリスト、ブライアン・チン氏は、AI関連のチップ技術について議論する際に、ラムリサーチを見逃してはならない重要なプレイヤーと指摘しています。

格上げと目標株価を引き上げ

7月24日、チン氏はラム・リサーチの格付けを「ホールド」から「買い」に引き上げました。また、目標株価も505ドルから725ドルへと大幅に引き上げています。この価格は24日の終値は639.03ドルから13%の上昇の余地があること示しています。今回の同氏の決定背後には、メモリチップ技術と人工知能との深い関係性があります。

高帯域幅メモリ(HBM)がAIの加速器

高帯域幅メモリ(HBM)は、AIのパフォーマンス向上に欠かせない要素で、特にAIアクセラレーション(加速)の観点から見ると過小評価されているとチン氏は主張します。「我々はラムリサーチを、短期的にも長期的にもDRAM(メモリーチップ)の成長を牽引するHBMから恩恵を受ける主要企業と見ている」とチン氏は述べています。

AIの進化とHBMの需要

ここ最近の生成AIの急速な進化は、HBMの需要をさらに推進する一因となります。生成AIは、テキスト、画像、動画といった大量の情報を取り込んで新たなコンテンツを生成するものであり、この技術に対する関心は、OpenAIが自然言語生成モデルChatGPTをリリースしたことにより加速しました。

ラム・リサーチの半導体製造装置は、このような新しい高度なHBMメモリ半導体の製造に必要な装置を提供します。「事実上、AIのトランジスタ密度とFLOPS(1秒あたりの浮動小数点演算)が増加するため、メモリがボトルネックになっている」とチン氏は指摘。「生成AIの拡大がHBMの成長を加速すると我々は見ている」と述べています。

ラム・リサーチの好調なパフォーマンス

ラム・リサーチの株価は過去12カ月間で約37%上昇しており、そのパフォーマンスは半導体指数に連動するiシェアーズ・セミコンダクターETF(SOXX)の同期間の31%上昇を上回っています。

AIへの投資の増加とともに、メモリ技術とそれを提供する企業の役割はますます重要となります。AIの未来を切り開くための鍵を握っている企業としてラム・リサーチは要注目です。

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