2020年の一大注目株だったエアビーアンドビー(ABNB)は、2022年のテクノロジー株と成長株の弱気相場により、一時的に投資家の心理を冷やしてしまいました。しかし、2023年に入りその株価は50%以上上昇し、長期投資家にとって非常に魅力的な銘柄となっています。この記事では、強力なビジネスモデル、優れたブランド力、そして堅実な成長を持つエアビーアンドビーの魅力について詳しく掘り下げていきます。
強力なブランドと有利なビジネスモデル
エアビーアンドビーはデジタルマーケットプレイスの中で非常に競争が激しい分野に位置しています。伝統的なホテルや他の旅行会社といった強力な競合も存在します。しかし、2008年の創業以来、エアビーアンドビーは強固なブランドを構築してきました。その結果、多くの消費者が、「エアビーアンドビー」という名前を、短期間の賃貸サービス全般を指す語として使用するまでになりました。これは、例えば「クリネックス」がティッシュを指す語として一般に使用されるのと同じ現象です。
エアビーアンドビーのビジネスモデルの強さの源泉は、自社で不動産を所有せずに利益を得ることにあります。エアビーアンドビーはホストと利用者を結びつけるプラットフォームであり、そのマーケットプレイスからトラフィックを誘導し、予約時に手数料を請求することで収入を得ています。
持続的な成長
エアビーアンドビーがパンデミック(世界的大流行)を乗り越えて以降、事業の規模が大きくなるにつれて、その収益性はますます高まっています。現在、エアビーアンドビーは年間40億ドル近いフリーキャッシュフローを生み出し、売上1ドルのうち0.40ドル以上を現金に換えています。
エアビーアンドビーは成長を促進するために支出を行っており、現在、営業とマーケティングの費用は売上の約18%を占めています。しかし、この費用は2018年の30%以上から時間の経過とともに減少してきています。その理由は、ますます強固なブランド認知の恩恵を受けているからです。売上が増加するにつれて、このパーセンテージはさらに減少し、利益率の上昇をもたらすことが期待できます。
堅実な財務状況
投資家は、エアビーアンドビーのバランスシートが現在非常に強固であることを評価しています。105億ドルの現金に対して、わずか20億ドルの負債があるだけです。さらに、経営陣は昨年から自社株買いを開始し、第1四半期には新たに25億ドルの自社株買いのプログラムを発表しました。
成長の見通しと投資の魅力
アナリストの予測によると、エアビーアンドビーは2023年に1株当たり約3.53ドルの利益を得る可能性があるとされています。株価収益率(PER)は36で、現時点では高めに感じられますが、長期投資家にとっては魅力的な数字と言えます。
エアビーアンドビーは引き続き成長を続ける見込みで、その売上は当面10%台前半で増加するとアナリストたちは予測しています。自社株買いと、売上の伸びとともに利益率が上昇する可能性を考慮すると、アナリストは今後3~5年間の年間1株当たり利益(EPS)成長率を平均21%と見ています。
長期投資家向けの魅力的な銘柄
エアビーアンドビーは強力なブランド、健全なキャッシュフロー、堅実なバランスシート、そして将来的な成長を考慮すると、5年以上の長期保有を考えている投資家にとっては非常に魅力的な銘柄であると言えます。現在の株価は決して安くはないかもしれませんが、長期的に見れば、エアビーアンドビーはその強力なファンダメンタルズに支えられて、投資家の資産を複利で増やしていくことが期待できる銘柄となっています。
*過去記事はこちら エアビーアンドビー ABNB