エヌビディアの時価総額1兆ドル突破:AIブームが引き続き牽引

2023年6月13日、米国の半導体製造企業エヌビディア(NVDA) の時価総額が終値で1兆ドルを突破しました。これはエヌビディアの株価が同日3.90%上昇した結果で、同社は米国企業で7番目の時価総額となりました。AIのブームを背景に、エヌビディアの株価は今年に入り181%上昇。CEOのジェンセン・フアン氏は最近、「新しいコンピューティング時代」の到来を宣言しました。

AIブームの中でのエヌビディアの成長

エヌビディアの半導体は、最大かつ最も強力なAIシステムの構築に不可欠で、AI技術に何十億ドルも投資する大手ハイテク企業や新興企業からの恩恵を受けています。これにより、同社はハイテク企業のアップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、グーグルの親会社アルファベット(GOOGL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とともに1兆ドルリストに名を連ねることとなりました。

13日は、エヌビディアが初めて終値の時価総額で1兆ドルを上回った日で、その日の終値は410.22ドルでした。この日は3.9%上昇し、エヌビディアの時価総額はおよそ1兆100億ドルに達しました。

AIとの深い関係性

1990年代初め、エヌビディアの初期の焦点はコンピューターグラフィックスの改良にありました。しかし、約16年前からは物理シミュレーションやAI計算など、グラフィックス以外の用途での半導体利用が増え、特にAI計算分野でその力を発揮しています。

エヌビディアはAIと自動車産業との関係においても大きな動きを見せています。AIが自動運転機能に重要な役割を果たすことから、自動車向けの半導体供給に力を入れています。これにより、エヌビディアのAIに特化したデータセンター事業は、ゲーム部門を抜いて同社の主要な収益源となりました。

AIブームとエヌビディアの株価

エヌビディアの最近の株価上昇は、AIツールに対する関心の高まりによるものです。特にOpenAIのChatGPTなど、簡単なクエリに対して説得力のある回答を生成するAIツールに対する関心が高まっています。これらのシステムへの投資が増えることで、エヌビディアの半導体に対する需要も持続的に増加していると見られています。

競争の激化

しかし、競争も激化しています。高性能なコンピューターグラフィックスチップを製造するアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、AI向けのグラフィックスプロセッサを製造するインテル(INTC)など、エヌビディアにとっての競争相手は存在しています。さらに、アマゾンやグーグルなどの大手クラウドコンピューティング企業も、自社のAIチップの製造に乗り出しています。

それでも、AI分野への取り組みを始めた最初の大手半導体企業はエヌビディアであり、その早期の取り組みが今日の成功につながっています。AIブームが今後どのように進展するかは不透明ですが、その一翼を担っているエヌビディアの動向は引き続き注視すべきです。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

最新情報をチェックしよう!