アップル(AAPL)がAR/VR市場における究極の技術力を持つ新製品「Vision Pro」を発表しました。一見するとその価格は3,499ドルと高額ですが、その技術的な進歩は、アップルがAR/VR市場を支配する下地を作っていることを示しています。今回は、この新製品とその影響について詳しく掘り下げてみましょう。
Vision Pro:高価だが革新的な技術力
Vision Proの価格は平均的な月々の家賃の何倍もと、誰もが手に入れられるものではないかもしれません。しかし、その驚くべき技術力は、アナリストやレビュアーを圧倒し、その価値を証明しています。
ジェフリーズのアンドリュー・ユアークウィッツ氏は、「これまで見た中で最も技術的に進んだデバイスだ」と評価し、台湾を拠点とするアメリカのビジネス、テクノロジー、およびメディア アナリストであるベン・トンプソン氏は、「圧倒された。このヘッドセットは期待を大きく上回った」と述べています。
レビュアーは、先行するVRヘッドセットと比較して遅延が少ないこと、ハンドジェスチャーでヘッドセットを操作でき、コントローラーを必要としないインターフェース、高解像度内部ディスプレイの2300万画素のディテールに感銘を受けたと語っています。
Vision Proと競争相手の違い
こうした技術は高い価格にもかかわらず大きな意味を持ち、その影響はすでに感じられています。例えば、メタ(旧Facebook)は、アップルのヘッドセットのイノベーションに対し落胆しているとされています。メタが開発した「Meta Quest Pro」は1,500ドルで発売されましたが、革新性に欠けるとの批判を受け、価格を下げざるを得ませんでした。
アップルの強みとメタの課題
アップルの主な強みは、自社で設計したチップと強固なモバイルオペレーティングシステムを持つことです。これに対し、メタはクアルコム(QCOM)などのサードパーティーのチップサプライヤーに依存しており、半導体設計においてアップルに遅れを取っています。また、メタには、アップルのiPhone App Storeのような大規模なエコシステムがなく、ソフトウェアの大量のライブラリがありません。
AR/VR市場の未来はアップルが握る?
AR/VR市場が大量に普及するのは、まだ何年も先のことかもしれません。しかし、今回のアップルのVision Proの発表は、この市場がアップルの手中にあることを示しています。その革新的な技術力は、コストを下げ、より安価で大量生産可能なモデルが登場する数年後には、ハードウェアの売上を促進するキラーアプリを生み出すものと予想されます。
*過去記事はこちら アップル AAPL