人工知能(AI)の発展は、テクノロジー業界における投資家たちの関心を急速に高めています。毎日変わるテクノロジーマーケットの舞台で、エヌビディア(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)、オラクル(ORCL)などの主要なテクノロジー企業は、AI技術の開発に取り組み、株価は急上昇しています。
これらの企業はAIの可能性を理解し、新たなニーズに応えるための戦略を練り続けています。例えば、エヌビディアは大規模な言語モデルの学習に使用されるプロセッサの製造を通じて、AI分野での影響力を拡大。一方、マイクロソフトは、オープンAIへの出資とAI機能の導入を通じてAI市場で地位を確立しました。
さらに、AI投資に長い歴史を持つアルファベットの株価も上昇傾向にあります。また、オラクルはエヌビディアのスーパーコンピューティングサービスのホストを担当する合意を締結し、その結果株価は史上最高値に接近しています。
その他のAI関連企業、例えばシースリー・エーアイ(AI)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、サウンドハウンド(SOUN)の株価も上昇を続けています。
これらの動向から一つ言えることは、AIはインターネット、クラウド、スマートフォンと同様、世界を変える可能性のあるテクノロジーとなっている、とゴールドマン・サックスのハイテク・ポートフォリオ・マネージャー、ブルック・デーン氏は指摘しています。
デーン氏は、AIのビジネスチャンスを生かすためには、「データセンター、データ、セキュリティ、そしてAIの恩恵を受けるアプリケーション」の4つの基本的な手法が必要だと言います。これらの要素に関連する企業について、同氏のおすすめは以下のとおりです。
データセンターにおける同氏の選択は、データセンターの接続に使われるチップを製造するマーベル・テクノロジー(MRVL)です。マーベルのチップは、ワークロードを高速かつ効率的に分散させる能力を保証しています。
AIトレンドは、電子設計自動化(EDA)に特化したソフトウェア企業にとっても追い風となるとデーン氏は信じています。特に同氏が注目しているのは、ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)。さらに、AIワークロードが大量のメモリを使用するため、DRAMとフラッシュメモリの大手であるマイクロンテクノロジー(MU)にも注目しています。
データテクノロジーに関しては、デーン氏は、企業が自社の内部データでモデルを訓練したいと考えているため、データの「クリーニングとサンドボックス化」が重要であると指摘します。そのため、スノーフレイク(SNOW)やデータドッグ(DDOG)のように、企業の情報収集と分析を支援する企業は、今後のビジネスチャンスとなる可能性が高いと同氏は述べています。
セキュリティ分野では、パロアルトネットワークス(PANW)がデーン氏の一押しです。パロアルトは「脅威ベクトル」のデータを提供しており、顧客のセキュリティ要件を超えるものを提供できると評価しています。また、クラウドセキュリティソフトウェアのZスケーラー(ZS)も同氏が強く推奨する企業の一つです。
AIの恩恵を受けるアプリケーションという観点から見ると、中小企業向けに顧客関係管理ソフトウェアを提供するハブスポット(HUBS)がデーン氏のおすすめです。ハブスポットはAIを使って顧客のマーケティング費用の生産性と効率性を高めると述べており、これが実現すれば、顧客はより多くの投資を行い、その結果、株価も上昇すると同氏は考えています。
もちろん、デーン氏が推奨する企業だけが、AIの恩恵を受けるわけではありません。他にも多くの企業の名前をあげることができるはずです。AIの進歩は止まらず、その影響はますます広範に及ぶでしょう。そのため、投資家やビジネスマンは、AI技術の動向を把握し、その影響を理解することが求められています。