5月9日の時間外取引で、人工知能(AI)を活用した融資プラットフォーム、アップスタート・ホールディングス(UPST)の株価が40%上昇しました。この日発表した第1四半期の売上が前年同期の3分の1だったにもかかわらず、今期の見通しが明るいと発表したことが要因です。
アップスタートは、融資価格の高騰や減少する需要の影響を受けて苦戦していますが、資金調達先の景気後退による撤退問題に一定の前進があったことが報告されています。同社のCEOデイブ・ジルーアード氏は、「当社は複数の長期資金調達契約を締結し、今後12ヶ月間でアップスタート・プラットフォームに20億ドル以上を提供する見込み」と発表しました。
さらに、同社は機関投資家パートナーの名簿を拡大し、「あらゆるサイクルを通じて消費者に質の高いオファーを提供する」と決算説明会で発言しました。第2四半期、アップスタートの経営陣は、1億3500万ドルの売上と、金利・税金・減価償却前利益(Ebitda)ベースで収支トントンとなることを見込んでいます。ファクトセット調べのアナリストの予想では、1億2500万ドルの売上と1400万ドルの調整後Ebitdaの損失が見込まれていました。
最高財務責任者(CFO)のサンジェイ・ダッタ氏は、決算説明会で「当社のガイダンスの改善は、マクロ経済の明らかな改善によるものではない」と強調し、「粘り強い実行、営業規律、マージンの拡大、取引きの組み合わせによるもの」と説明しました。
第1四半期の売上高は、ローン組成が急減したため、前年の3億1千万ドルから1億3百万ドルに減少しています。アップスタートの提携先がこの期間に行なった融資の件数は84,000件強で、前年同期比で78%減となりましたが、それでも、アナリストたちが予想していた第1四半期の売上9970万ドルを上回る結果となりました。
第1四半期は1億2900万ドルの純損失で1株当たり1.58ドルの損失を計上しました。前年同期には3300万ドルの純利益と1株当たり34セントを記録していました。調整後ベースでは、アナリストたちが予想していた1株当たり83セントの損失に対し、同社は1株当たり47セントの損失を計上し、損失額が予想よりも少なくなっています。
このような状況下でも、アップスタートの経営陣は、今後のビジネス展開や資金調達の見通しを明るく捉えており、市場にポジティブなインパクトを与えています。
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